請戸漁港の復旧祝う 「常磐もの」復興推進、小中学生ら防潮堤に絵

 
(写真上)古里への帰還と復興を願いお披露目された大堀相馬焼のモニュメント(写真下)なみえ創成小中生らが防潮堤に描いたペイント

 東日本大震災で甚大な被害を受けた浪江町の請戸漁港の復旧工事が完了し、20日、現地で完成を祝う式が行われた。同漁港の復旧により、震災で被災した本県沿岸の漁港10カ所全てが復旧した。関係者は"常磐もの"として名高い本県水産業の復興を進めることを誓った。

 式典には関係者約30人が出席し、県相馬港湾建設事務所の近内剛所長が「多くの方々に新しい請戸漁港に来てもらい、浪江町の復興の推進役になれば喜ばしい」とあいさつした。

 港内の防潮堤では、大堀相馬焼陶吉郎窯窯主の陶芸家近藤学さん=いわき市、浪江町出身=が制作した、古里に帰還するサケを表した大堀相馬焼のモニュメントと、なみえ創成小中生と東北芸術工科大生が描いた請戸の海産物のペイントが除幕された。

 県によると、請戸漁港の震災前の水揚げ量は約2357トン(2010年)。相双地区では松川浦漁港に次ぐ水揚げ量があり、沿岸漁業では県内有数の規模を誇っていた。しかし、津波で防波堤や岸壁など34カ所が壊れたほか、漁港のある浪江町は東京電力福島第1原発事故後、警戒区域に指定。福島第1原発に最も近い漁港のため、復旧作業に時間を要した。

 13年に避難指示解除準備区域となり、県は立ち入り制限がかかる中、復旧に向けた調査を開始。同年10月に工事に着手し、今年3月に完了した。総事業費は約90億円で、すでに使用が始まっている。