相次ぐ鉄道絡む事件...福島県警とJR連携強化 郡山で対応訓練

 
相次ぐ鉄道関連の殺傷事件を受けて行われた訓練=22日、JR郡山駅

 福島市のJR福島駅で女性が切り付けられた事件から1週間を迎えた22日、郡山署と県警、JR東日本は郡山市のJR郡山駅で有事の対応を訓練した。全国で鉄道に絡む事件が相次ぎ、関係機関が警戒を強めているものの、利用者の多い駅で発生を未然に防ぐのは難しい側面もある。県警は「不審な人物を見掛けたら近づかず、すぐに110番通報してほしい」と呼び掛け、県民に自らを守る行動を求めている。

 訓練には郡山署員と県警鉄道警察隊員、JR東の職員ら30人が参加。刃物を持った男が駅の入り口付近で女性を刺し、構内に籠城したとの想定で実施した。実際に110番通報を受けた警察官が現場に駆け付け、刃物を振り回して抵抗する男をさすまたや盾で制圧するまでの流れを確かめた。

 県警は福島駅での事件を受け、主要駅を管轄する警察署に駅などの警戒と不審者への声掛けの徹底を指示。JR東も警察と連携し駅構内や車内の巡回を強化した。しかし、不特定多数が出入りする駅での対策には限界があるのも実情だ。

 JR東によると、2020(令和2)年度の郡山駅の平均乗車人数は1日当たり1万1438人に上り、県内で最も多い。郡山駅を日常的に利用する同市の主婦(31)は「福島駅と同様の事件はいつ郡山駅で起きてもおかしくない。利用者が多く、何かあればパニックになって逃げられないのではないか」と不安を口にする。

 この日の訓練を指揮した郡山署の国分則之地域交通官(57)は「警察官などの姿を見せることで事件を起こせない環境をつくっていくことが重要だ」と強調する。その上で「不審な人物がいればためらわずに110番通報してほしい」と話した。

福島の事件、容疑者を一時釈放

 福島市栄町のJR福島駅西口広場で女性が切り付けられた事件で、福島地検は22日までに、傷害容疑で逮捕、送検された本籍山形県米沢市、住所不定、無職高橋清容疑者(69)をけがによる約3週間の入院のため、釈放した。20日、福島簡裁に勾留執行停止の申し立てをし、認められた。同日付で釈放した。

 勾留執行停止の期間は12月13日までで、その後再び勾留して捜査を続ける。地検は、高橋容疑者がけがをした時期や程度などは明らかにしていない。