「水産業基金」300億円規模 風評対策、買い取りや販売促進へ

 

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、政府が水産業の風評対策として創設する基金の予算規模を300億円とする方向で最終調整していることが24日、分かった。基金に積んだ予算は、水産物の一時的な買い取りや販路拡大の支援に充てることを想定している。

 経済産業省が2021年度補正予算案に盛り込む方針で、同日の自民党東日本大震災復興加速化本部の総会などで示した。経産省は22年度当初予算案に計上する方針だったが、放出開始前から風評被害が生じる事態に備えて前倒しした。

 政府は補正予算成立後、速やかに基金を設け、機動的に風評対策を打つ仕組みを整える。基金を使う支援策の中身は今後詰めるが、冷凍可能な水産物を一時的に買い取ったり、保管したりする案を検討。これらに、必要な資金を借り入れた際の金利や冷凍設備の使用料への支援を見込む。

 冷凍できない水産物については、販路拡大を後押しする。企業の食堂などでの水産物の提供やインターネット販売の促進を目指す。

 このほか経産省は、第1原発の廃炉・汚染水・処理水対策として176億円を21年度補正予算案に計上する方針を固めた。溶け落ちた核燃料(デブリ)取り出しなどの技術開発にかかる研究費を補助するほか、処理水の分析に必要な設備の導入に向け、日本原子力研究開発機構(JAEA)に出資する見通しだ。