響く再興のサウンド 郡山・CLUB#9再出発「守りたかった」

 
「市民の皆さんが楽しめる場にしたい」と語る福井さん

 郡山市のライブハウス「CLUB#9(クラブシャープナイン)」で16日、4組のアーティストによるライブイベントが行われた。同店は新型コロナウイルス感染症による営業自粛や2月の地震被害を乗り越え、1日に約2年ぶりの再オープンを果たしたばかり。音楽の灯を絶やすまいとする関係者の熱意が再興のサウンドとなってステージに響き、新たな歴史を刻んだ。

ステージに熱気

 「ライブができず歯がゆかった。こうして演奏できて本当に幸せ」。オープニングアクトを務めた喜多方市出身のバンド「ちゃんとばんどまん。」のギターボーカル・るかさん(25)はライブ中、出演者全員の思いを代弁するように言葉を紡いだ。

 感染対策で収容人数に上限を設け、マスク着用の徹底など客席の様子は様変わりしたが、ステージ上はコロナ禍前に負けない熱気に包まれた。「やっぱり音楽なしでは生きていけない」。同店代表の福井公伸さん(58)は照明で輝くステージを見つめた。

 同店は2000年3月にオープン。郡山ゆかりのGReeeeN(グリーン)や音速ラインなど数多くのアーティストが出演し、音楽ファンが集う場所として長年愛されてきた。しかし、新型コロナで状況は一変した。ライブハウスは3密(密集、密接、密閉)になりやすいと指摘され、営業制限がかかった。「音楽が好きな人を感染させるわけにはいかない」。福井さんは20年3月ごろから営業を自粛した。

 さらに、2月の本県沖地震が追い打ちをかけた。これまで使用していた建物の壁にひびが入るなどしたため、元の場所から退去を余儀なくされた。「目の前が真っ暗になった。それでも、この街の軽音楽の中心を担ったライブハウスを守りたかった」。知人の紹介で同市大町にあった元映画館を再開場所に決め、クラウドファンディングで改修資金を募り再開にこぎつけた。

 屋号の「#9」はビートルズの故ジョン・レノンが「行動を開始しよう」という意味で使った暗号との説がある。「音楽だけでなく、演劇やスポーツなど幅広い可能性を生み出したい」と福井さん。これからは我慢した時間の分だけ、「#9」を体現するつもりだ。(緑川沙智)

 【メモ】郡山市大町1の4の15、第2増子ビル地下2階。不定休。ライブ情報などは今後アプリで配信する予定。問い合わせは同店(電話024・973・5242)へ。