「放射線」情報発信議論 福島医大・坪倉教授、五月女准教授ら

 
放射線の健康影響や風評の問題について話す坪倉教授(右)と五月女准教授

 放射線に関する正確な情報を発信する環境省の事業「ぐぐるプロジェクト」の公開収録会が19日、福島市で開かれた。放射線の健康影響を巡る差別や偏見を払拭(ふっしょく)するための効果的な情報発信の仕方について、専門家と大学生らが議論を行った。

 福島医大放射線健康管理学講座の坪倉正治教授と、漫画「ラジエーションハウス」の監修を務める同大保健科学部診療放射線科学科の五月女康作准教授のほか、放射線について知りたいと参加を申し出た落語家の桂三四郎さんが登壇。福島医大など県内外の大学生、大学院生も参加した。

 五月女准教授は「放射線についてマイナスのイメージを持つ人が多く、放射線を扱うわれわれは説明に難しさを感じることがある」と指摘。原発事故が起きた福島への偏見につながっているだけでなく「診療放射線技師という職業への偏見にもつながっている。『放射線技師は子どもができないのではないか』と考える人もいるが、実際はそんなことはない」と説明した。

 坪倉教授は、今年3月に出た国連の報告書が、原発事故について放射線の遺伝的影響などを恐れる状況にはないと指摘していることを紹介した。

 情報発信の仕方について、桂さんは「相手に伝わるようにするには、発信する人が迷いを持たずに強い気持ちで話すことが大事だ」と落語の経験を踏まえて話した。

 議論に参加した福島医大保健科学部臨床検査学科1年の佐藤寿美(ことみ)さん(19)は「福島の現状を外部の人に分かってもらうには、自分の言っていることに自信を持って伝えることが大事だと分かった」と感想を話した。

 公開収録会は放射線の情報発信について考えてもらうことを目的に開き、同プロジェクトのウェブサイトで後日公開する予定。