第1原発処理水放出関連設備、最速で22年6月着工 東電が審査申請

 

 東京電力は21日、福島第1原発で発生する処理水の海洋放出に向け、関連設備を整備するための計画の審査を原子力規制委員会に申請した。着工には規制委の認可のほか、県と立地町である大熊、双葉両町の同意が必要となる。東電は審査に半年程度かかると見込んでおり、地元の同意を得た上で、早ければ2022年6月の着工、23年4月中旬の完成を目指すとした。

 計画には、処理水を海水で希釈して放出するための設備や、処理水に含まれる放射性物質量を測定・確認する設備の基本設計などが盛り込まれている。東電は処理水の海洋放出方針を巡る全体計画案を8月25日に発表。当初、秋ごろに申請するとしていたが、関係者への説明や意見聴取を行い、今月にずれ込んだという。想定より遅れたが「政府方針の23年春ごろの海洋放出を目指すことに変わりはない」としている。

 東電は処理水に含まれるトリチウムを1リットル当たり1500ベクレル未満になるよう海水で薄め、基準値を下回ったことを確認した上で、海底トンネルを新設して沖合1キロで放出する方針。海底トンネル工事では、岩盤をくりぬきながら鉄筋コンクリートの壁を設置する「シールド工法」と呼ばれる手法を採用。トラブル発生の可能性をなくすため、海底トンネルで施工実績が多数ある同工法を選んだ。

 申請したのは設備の整備計画であり、処理水の海洋放出の認可とは異なる。東電は海洋放出について「一人でも多くの人の理解を得る」としており、今後も漁業者や地元自治体などへの丁寧な説明が求められる。東電の担当者は「設備工事はスケジュールありきではない。関係者に説明して意見を聞くプロセスを大切にしたい」と話した。

 東電は申請に先立つ20日に、安全確保に関する協定に基づき、県と大熊、双葉両町に「事前了解願い」を提出している。県は規制委の審査状況や浜通り13市町村の意見などを踏まえ、設備工事を了承するかどうか検討する。

 福島第1原発の敷地内には今月16日時点で約129万トンの処理水や汚染水が保管されている。

 東電は137万トンで敷地内のタンクが満杯になるとみている。