海洋放出計画、タンクで処理水測定・確認 異常時には移送中断

 

 東京電力が公表した福島第1原発で発生する処理水の海洋放出に必要な設備の設計を盛り込んだ実施計画では、多核種除去設備(ALPS)を通った処理水の保管や放射性物質の測定をはじめ、海水で薄めた後に海底トンネルを通って海へ処分するまでの工程や、想定する設備が示された。

 計画によると、ALPSで処理された処理水は、測定・確認用のタンクに移送される。タンクは計30基(計30トン)あり、〈1〉受け入れ〈2〉測定・確認〈3〉放出―の三つの工程に10基ずつ割り当て、ローテーションで運用する。測定・確認の過程では、タンクにある水質を均一化するためにポンプなどでかき混ぜ、放出基準を満たしているか確認する。

 海水と混ぜる前には、処理水をポンプを使って配管で移送する。途中には放射線検出器や流量計を設置して監視する。異常があった際は川下に設置されている緊急遮断弁で処理水の移送を停止する仕組みを採用した。

 また、処理水を薄めるための海水は港湾内からくみ上げる予定で、処理水を100倍以上に希釈できる流量を確保するポンプを設置する。その後、移送されてきた処理水と混ぜ合わせ、放水用の立て坑に移送されるという。

 福島県「地元に丁寧な説明を」

 東電が計画の審査を申請したことを受け、県は「審査により処理水放出自体が決定するわけではないが、東電には審査と並行し、地元への詳細な説明を丁寧に実施してもらいたい」と注文した。

 立地町の一つ、大熊町の担当者は「東電から詳しい説明を聞いた上で、県などと連絡を取り合って対応したい」としている。

 いわき市の内田広之市長は21日の記者会見で「国民や関係者の合意形成が不完全の状態で計画だけが示されることは誠に遺憾。(放出の)時期ありきではなく、丁寧に説明して理解を得るよう求めていきたい」と話した。

 県漁連の野崎哲会長も同日、報道陣に対し「われわれが(処理水の海洋放出に)反対している中で進んでいくのは残念だ。淡々と進むことに非常に不満だと発信するしかない。説明を尽くしていない」と語った。