日本海溝地震、最悪想定で死者19万9000人 福島県1200人犠牲

 

 政府は21日、北海道から東北の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いでマグニチュード9級の巨大地震が起きた際の被害想定を公表した。最大時、北海道や青森、福島など7道県で計19万9000人が死亡し、22万棟の建物が全壊、経済被害は全国で31兆3000億円に及ぶ。本県は最大1200人が亡くなり、建物の全壊は800棟と見込んだ。死者はほとんどが津波によるもので、早期避難の徹底で8割減らせるとした。国と地方自治体、地域住民を挙げた取り組みが急務となる。

 想定の対象は、岩手県沖から北海道沖に続く日本海溝の地震と、北海道沖から千島列島沖にかけての千島海溝で起きる地震。季節や時間帯、すぐに避難する人の割合などの条件に応じ、それぞれ被害を推計した。

 被害が大きいのは日本海溝の地震。避難に時間がかかる冬の深夜に起き、早期避難者が2割にとどまる場合、死者数が最大になると想定。北海道13万7000人、青森4万1000人、岩手1万1000人などの結果が出た。

 本県で最大1200人が犠牲になるのは、夏の昼間で避難が遅れた人が多い場合とされる。内閣府の担当者は「地域の滞留人口が多いことが影響したのではないか」との見方を示した。

 早期避難で減少

 内閣府は、津波避難タワーの整備や建物の耐震化を進め、全員がすぐに避難すれば、全国の死者は3万人に減らせるとし、住民の意識を高めるよう訴えた。

 建物の全壊は、ほとんどが津波による被害で、避難者数は地震発生翌日に最大90万1000人(このうち本県は1万2000人)に達する。

 経済被害は、被災地内の建物やインフラが25兆3000億円、生産力低下による全国的な影響が6兆円。

 一方、千島海溝の地震は福島など7道県で死者10万人、全壊建物8万4000棟と推計した。本県の被害想定は犠牲者300人、全壊建物200棟。ただ、東京電力福島第1、第2原発、青森、宮城、茨城各県にある原発への言及はなかった。政府は「個別施設の被害は評価しない」としている。

 両海溝沿いの地震を巡っては、内閣府の有識者会議が昨年4月、津波の高さなどの予想を公表。岩手県宮古市で29.7メートル、北海道えりも町で27.9メートルに達するとされ、本県では南相馬市の最大19メートルなど5~10メートルを超える津波が想定された。