「備え、日ごろから」浜通り住民警戒 日本・千島海溝地震想定

 

 政府が日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震が起きた際の被害想定を公表したことを受け、浜通りの住民らは「最悪を想定して備えたい」と地震や津波への警戒を改めて強めた。

 南相馬市の自営業小林正人さん(36)は、内閣府の有識者会議が昨年4月に示した同市の津波高の予測について「高さ19メートルというのは現実味のある数字」だと受け止める。その上で「東日本大震災で多くの犠牲者と被害が発生したにもかかわらず、10年が経過して当時の悲惨な記憶が薄れつつある。今回の公表は市民として重く受け止め、常に最悪の事態を想定しながら災害への備えを万全にしたい」と心構えを語った。

 震災で津波被害を受けた相馬市磯部地区にある磯部中の校長高瀬永志さん(57)は「いざというときに行動できるよう、子どもたちを育てたい。震災後、訓練に取り組んでいるが、想定を受け、改めて日ごろの備えを徹底したい」と気を引き締めた。

 東電、防潮堤の補強進める

 東京電力は、日本海溝沿い地震の津波が防潮堤を越えて敷地が浸水する恐れがあるとして、福島第1原発で防潮堤の補強工事を進めている。津波が原子炉建屋に到達した場合、浸水による汚染水の増加や流出、処理水の移送配管など重要設備が被害を受けることで、廃炉作業が遅れる可能性があるという。

 工事中の防潮堤は、幅約1キロ、高さは海抜13.5~15メートル。東電は防潮堤の補強により、日本海溝地震による津波に耐えられる強度と規模を確保できるとしている。

 東電によると、2023年度までの完成を目標としている。このほか、津波対策として原子炉建屋の開口部をふさぐなどの作業を進めている。