猪苗代湖にホソガムシ新種 カワセミ水族館、固有種137年ぶり発見

 
新種の水生昆虫「バンダイホソガムシ」の標本を手にする平沢さん=アクアマリンいなわしろカワセミ水族館

 アクアマリンいなわしろカワセミ水族館のチームリーダー平沢桂さん(45)が、郡山市の猪苗代湖で採集した水生甲虫のホソガムシが新種であることが分かり、22日までに日本甲虫学会の国際誌に記載された。これまで国内でホソガムシの仲間は4種が見つかっており、今回の発見は、日本固有種としては1884(明治17)年に記載されたホソガムシ以来137年ぶりとなる。

 県内で新種のホソガムシが発見されたのは今回が初。磐梯山を望む場所で採集されたため「バンダイホソガムシ」と名付けられた。新種の大きさは2.7ミリほどで、頭や背中が赤緑色で金属光沢があることなどが特徴だ。

 平沢さんは2018(平成30)年7月に猪苗代湖で個体を採集。その後、20年冬に顕微鏡を使ってこの個体の交尾器の確認をしたところ、国内で確認されているどの種にも当てはまらなかった。論文の共著者である吉富博之愛媛大准教授に写真を送り調べたところ、新種であることが分かった。

 ホソガムシの仲間は国内ではホソガムシ、チュウブホソガムシ、ヤマトホソガムシ、キタホソガムシの4種が確認されている。今回見つかったバンダイホソガムシは、日本固有種として137年ぶりの発見となるほか、ホソガムシ科の新種記載としても国内で59年ぶりとなる。

 世界共通の学名は「ヒドロクス ミタムライ」と決まった。バンダイホソガムシを一緒に採集した同じ福島虫の会会員の三田村敏正さん(伊達市)の名字から名付けた。平沢さんにとって、三田村さんは昆虫の世界の素晴らしさを教えてくれた恩師だという。

 平沢さんは、川内村の平伏(へぶす)沼で新種のヒラサワツブゲンゴロウも発見しており、それに次ぐ快挙になった。「生き物は図鑑に載っているものだけではなく、県内にも未知の生き物がいるかもしれない。疑問を持つことの大切さを知ってもらえたら」と子どもたちにエールを送る。

 同水族館は今月末からバンダイホソガムシの生体を展示する。

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 ホソガムシ科 水生植物が豊富な湿地、湖沼に生息する。本県では2017年に郡山市と磐梯町でチュウブホソガムシが確認されている。ホソガムシの仲間は世界で約300種が知られており、今回の「バンダイホソガムシ」は国内では5種目となる。