熱中症対策「超冷感」肌着開発へ 糸類製造のシラカワ二本松工場

 
開発に意欲を見せる(右から)中村主任研究員、菅野係長、結城副調査役

 糸類を製造する二本松市のシラカワ二本松工場は、接触冷感の性質がある釣り糸の素材を使い、着用すると涼しく感じるアンダーウエア(肌着)を開発する。釣り糸は伸縮性が低く、機械トラブルなどの理由から衣料用の素材に活用されていなかった。二本松工場は熱中症対策の商品として、2023年の発売を目指す。

 工場の分析データによると、最高級釣り糸の素材の一つ「超高分子量ポリエチレン」は熱拡散性に優れ、ポリエステル製やナイロン製の肌着と比べて2倍以上の接触冷感が見込める。

 一方、接触冷感を優先して繊維密度を高めると、肌着に必要な通気性を確保できない。二本松工場は県ハイテクプラザ福島技術支援センターの協力を得て、通気性のある2枚の編み地を積層し、立体的な構造の生地を開発。接触冷感と通気性の両立に成功し、今後は県内の縫製工場と連携して「メード・イン・福島」の肌着の商品化を進める。

 価格は未定。夏場に屋外で働く東京電力福島第1原発の作業員や交通誘導員らへの販売を見込んでいる。東経連ビジネスセンターの助成事業にも採択され、来年1年間を支援期間に100万円を受ける。

 二本松工場の菅野幸二研究開発係長は23日、「超冷感の肌着を提供し、熱中症で倒れる人を減らしたい」と話した。県ハイテクプラザ福島技術支援センター繊維・材料科の中村和由副主任研究員と東経連ビジネスセンターの結城賢二副調査役が同席した。