大腸がん受診率は大幅減 斎藤医師ら調査、震災直後の南相馬市民

 

 福島医大放射線健康管理学講座大学院生で仙台厚生病院に勤務する斎藤宏章医師(31)らの研究グループが、東日本大震災前後の南相馬市民の大腸がん検診受診率を調べた結果、受診率は震災直後に大きく低下したとする調査結果を論文にまとめた。23日までに英科学雑誌サイエンティフィックリポーツに発表した。

 検診受診率の低下により、大腸がんの早期発見の機会が失われ、後に進行した状態で見つかるケースが懸念される。研究グループは「震災後の検診受診率の低下が大腸がん罹患(りかん)率などにもたらす変化を長期的に観察する必要がある」としている。

 研究グループは40~74歳の南相馬市民を対象に、2009~18年度の大腸がん市民検診の受診率の推移を調べた。震災前の09年度は12.3%、10年度は11.7%が検診を受けていたが、震災直後の11年度は3.4%と大幅に減少した。理由については「震災直後、住民にとって検診の優先度が下がったことにあると考えられる」と分析。12年度も低下した状態が続き、13年度に震災以前の水準に回復した。