空飛ぶクルマ、ロボテス試験...福島新エネ社会構想実現へ507億円

 

 政府が24日に閣議決定した2022年度予算案で、一般会計とは別枠で復興予算を計上する東日本大震災復興特別会計(復興特会)は21年度当初予算比905億円(9.7%)減の8413億円となった。1兆円を下回るのは2年連続。復興予算の規模がピークだった13年度の4兆3840億円と比べると2割を切り、道路や防潮堤の整備などの大規模事業の完了が予算の縮小につながった。

 経済産業省は、国と県が掲げる「福島新エネ社会構想」などの実現に向けて507億円を計上した。このうち、南相馬市の福島ロボットテストフィールドを実証試験場とした、ドローンや空飛ぶクルマなど「次世代空モビリティ(移動手段)」の実用化事業に29億3000万円を盛り込んだ。本県が誇る最新技術の研究開発拠点から、将来的な自由な空の移動の実現に向けた可能性を探る。

 政府は来年度中にも、ドローンの有人地帯での目視外飛行(レベル4)の技術が確立するとみている。ロボットテストフィールドで展開する実証試験は、空飛ぶクルマなどの次世代空モビリティが発展する次の段階を見据え、安全で円滑な空の移動に関するルールや評価手法の確立を目指す。

 具体的には、次世代空モビリティの安全基準の適切な評価・証明手法の開発、少人数で多数のドローンを効率的に管理・飛行させるための技術開発などが想定される。次世代空モビリティが同時に飛行することを想定した効率的な空域共有方法の設計にも取り組む。

 また、浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」を再生可能エネルギー由来の水素製造に関する世界最大のイノベーション拠点に押し上げるために73億1000万円を計上した。同フィールドで製造した水素を活用し、水素社会のモデル構築を念頭に置いた技術実証を本年度に引き続き取り組む。

 再生可能エネルギー導入促進に向けた支援事業費としては、52億3000万円を配した。阿武隈山地や本県沿岸部などで共用送電線や再エネ発電設備などの導入費用を支援するほか、産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所の機能強化として、風力発電の維持・管理に関わる技術者養成を支援する。