処理水対策に190億円 22年度予算案、補正含め600億円超へ

 

 政府は24日、2022年度予算案を閣議決定した。幅広い政策のお金を管理する一般会計の歳出(支出)総額は、10年連続で過去最大となる107兆5964億円。高齢化で年金や医療といった社会保障費が大幅に膨らみ、借金返済の負担も重くなった。5兆円の予備費を積むなど新型コロナウイルス対応を続け、岸田文雄首相の看板政策「分配」を具体化する賃上げの費用を計上した。

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を受け、復興庁は2022年度予算案に水産業などの事業者支援や風評対策として計約190億円を盛り込んだ。経済産業省は、20日に成立した21年度補正予算に基金創設などの事業費を前倒しして計上したため、各省庁の処理水の関連予算は補正と当初を合わせて600億円を超える見込みだ。

 復興庁は新たに、本県などの水産物・加工品の販売促進を図る「水産業復興販売加速化支援事業」に41億円、本県漁業の後継者育成に特化した「福島県次世代漁業人材確保支援事業」に4億円を確保した。海の魅力を生かし、沿岸部に観光客を呼び込む「ブルーツーリズム」も後押しする。また、国内外への情報発信に取り組む「風評払拭(ふっしょく)・リスクコミュニケーション強化対策」には21年度と同規模の20億円を充てる。

 環境省や原子力規制庁、農林水産省は海域のモニタリング(監視)や水産物の放射性物質検査などの強化に向けた費用を計上した。

 経産省は年度内に300億円の基金を創設し、水産物の販路拡大支援や風評被害が起きた際の一時的な買い取りなどに活用する。

 処理水を巡っては海洋放出への懸念が出ており、政府と東電には実効性のある対策が求められる。西銘(にしめ)恒三郎復興相は24日の閣議後記者会見で「決して風評被害を生じさせないという強い決意の下、必要な予算を確保し国内外の理解醸成や風評対策に取り組む」と述べた。