処理水海洋放出は「自分ごと」 Jヴィレッジで高校生が研修報告

 
処理水について学びの成果を発表する生徒ら

 東京電力福島第1原発で発生する放射性物質トリチウムを含む処理水について研修を重ねてきた県内の高校生が26日、Jヴィレッジで報告会を開いた。生徒らは、処理水を海に放出する計画について「『自分は関係ない』と考えないで」と「自分ごと」として意識するようメッセージを発信した。

 研修は、広野町のNPO法人ハッピーロードネットが、処理水の海洋放出について若い世代の視点で議論を深める「ふくしま浜通り高校生会議」として企画した。高校生11人が10月から6回にわたり、専門家や双葉郡の首長らと意見を交わして海洋放出の課題などに理解を深めてきた。

 報告会では、政府が2015(平成27)年に処理水について「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と約束した経緯を巡り、生徒は「約束をほごにしたため国民には不信感がある」と指摘した。その上で、政府に対し「誠意ある説明を」と求めた。

 海洋放出に伴い懸念される風評の拡大については「自分たちで工夫できることもある。道を切り開くことが大切」と訴え、広野町のコメ農家が自ら消費者に安全性を説明し、販路拡大につなげた事例を紹介した。

 政府が海洋放出を目指す23年春が1年数カ月後に迫る中、国民の理解醸成に向けては「無関心が課題」との認識で一致した。教育現場で処理水に関する授業の義務化や、著名人を起用したテレビCMで正しい知識を普及するなど「関心や興味を持ってもらうためのきっかけづくり」が必要と訴えた。

 会場には政府や東電の関係者ら約50人が訪れた。経済産業省の須藤治福島復興推進グループ長は「多くの人に関心を持ってもらうための間口を広げる大切さを学んだ。ヒントをもらった」と話した。