「ギターポリス」地域安全へ熱唱 福島県警音楽隊・渡辺巡査長

 
交通安全や詐欺被害防止を替え歌に乗せて啓発する「ギターポリス」

 県警音楽隊の渡辺明英巡査長(37)は、15年間愛用するギターを手に「ギターポリス」としても活動している。美空ひばりや坂本九らの名曲の歌詞をアレンジして、交通安全や「なりすまし詐欺」の被害防止を呼び掛けている。「一人でも多くの人が被害に遭わないでほしい」。そんな思いを歌に込める。

 事故や詐欺被害防止を啓発

 「ギターポリス」として活動を始めたのは、2015(平成27)年の石川署勤務時代。当時の上司から「得意なギターと歌を生かして、楽しい防犯、交通安全教室をやってみては」と提案されたことがきっかけだった。老若男女に合わせた親しみやすい人気の曲を選び、交通安全や詐欺被害防止など、住民に呼び掛けたいことを歌詞に込めて替え歌にしている。現在の持ち歌は6曲を数える。

 美空ひばりの「川の流れのように」に交通安全の願いを込めた「事故にあわないように」では「信号が青でもまわりを見よう」と表現。アリスの「冬の稲妻」は「詐欺に稲妻」と詐欺防止をテーマに、「それは詐欺だ オレオレ詐欺だ」と歌っている。

 イチオシは「反射材を着けて歩こう」

 中でもイチオシは坂本九の「上を向いて歩こう」をアレンジした「反射材を着けて歩こう」。「住民の反応もいい」と笑顔を見せる。

 替え歌は所属する音楽隊の定期演奏会や、地域の交通安全教室などで披露しており、集まった住民の楽しそうな顔を見てやりがいを感じている。

 東日本大震災の時に懸命に活動する警察官の姿を見て志した。震災当時は故郷の楢葉町の企業で働いており、原発事故による避難も経験した。「被災地出身だからこそ、地元に寄り添って治安面から復興を支えたい」と強い思いを語る。現在は音楽隊の隊員としてドラムやパーカッションを担当する。コロナ禍で、音楽隊の演奏会や「ギターポリス」としての活動が思うようにできていないが、隊員と心を一つに練習に励んでいる。「コロナが落ち着いたら、社会情勢に応じたみんなが楽しめる歌を作って披露したい」。地域の安全・安心を願う"新曲"への創作意欲は増すばかりだ。