磐城、力出し尽くした 全国高校ラグビー、女子部員と挑んだ花園

 
試合を終え、健闘をたたえ合う磐城の部員たち=花園ラグビー場

 10年ぶりの聖地「花園」で戦いに挑んだ磐城の選手たちは、女子部員6人と共に25年ぶりの勝利を目指した。大阪府の花園ラグビー場で28日行われた全国高校ラグビー大会1回戦で高鍋(宮崎)に敗れたが、男女合わせて31人の部員が11大会連続29度目の出場の強豪・高鍋に伝統の展開ラグビーで立ち向かい、力を出し尽くした。「部員全員で戦えて良かった」。試合終了後、上遠野晶太主将(3年)は共に戦った仲間に感謝した。

 聖地での戦いを裏で支えたのは、2018(平成30)年に創設された女子ラグビー部の部員だ。試合が途切れるたびに女子部員が給水に走り、勝利を目指して献身的にサポートした。

 女子部員は現在6人。7人制の女子ラグビーでの活躍を目指し、普段は男子に交じって練習に汗を流している。男子と同じ大会に出場はできないが、女子部員だからといって手加減はない。宮嶋美里さん(3年)は「男子と同じく練習してきた。男子とプレーしてきたからこそ、速いプレーに慣れることができた」と話すほどだ。

 男子部員との練習が成果となり、10月に行われた7人制ラグビーの全国大会「U―18(18歳以下)女子セブンス」の東北選抜に6人のうち4人が選ばれた。

 部員同士の絆がさらに強まったのは今夏。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、いわき市にまん延防止等重点措置が適用された8月。その時に男子部員の力となったのが、女子部員だ。

 コロナの影響で毎年行っていた合宿や練習試合が軒並み中止になり、全国大会に出場する強豪校との練習試合がなくなった。

 25人いる男子だけでは紅白戦もできないため、実戦経験を積める貴重な機会を失っていたが、女子が控えチームに入ることで紅白戦が実現し、実戦経験を養った。「男子との練習で鍛えられた。今度は男子を支える番だと思った」。引退した3年生の女子部員も時間を見つけて練習に顔を出した。

 この日、聖地での勝利には届かなかったが、女子主将の新妻杏菜さん(3年)は「みんなの頑張りが伝わってきた。花園でも男子をサポートできて良かった」と笑顔で語った。