「デリシャス」世界に発信 コメ・あんぽ柿、福島県が動画作成へ

 

 福島県は米国の大手通信社AP通信と連携して県産農産物の海外向け情報発信の強化に乗り出す。県産農産物に焦点を当てた動画を作成するほか、インターネットで影響力を持つ海外の「インフルエンサー」を起用。県産農産物のおいしさや魅力を伝え、海外で根強く残る風評払拭(ふっしょく)や農産物の輸入規制の撤廃につなげたい考えだ。動画は来年1月下旬ごろの公開予定。

 「Fukushima Delicious(フクシマ・デリシャス)発信事業」と銘打った取り組み。東京五輪ソフトボール競技で県産モモを試食した米国代表の監督による「デリシャス」発言で高まった県産農産物への注目度を一過性にしないために事業化し、本県が誇るさまざまな"デリシャス"を発信する。

 動画はコメ編と県北特産のあんぽ柿編の二つ。コメ編は県産食品を含む日本産食品の輸入規制を撤廃した米国向けを想定。これまで、米国への本県農産物の輸出実績は牛肉のみだったが、JA会津よつばが今月初めてコメを輸出。県は県産米を主軸に輸出実績の増加を目指しており、動画をきっかけにさらなる県産米の輸出拡大を思い描く。

 あんぽ柿編は主にアラブ首長国連邦(UAE)向けに作る。あんぽ柿を巡っては、中東向けとして来年1月に本格的な輸出を控えており、生産者の工夫や食材の魅力を盛り込んだ動画を公開、さらなる輸出拡大につなげたい考えだ。県は二つの動画で計100万回程度の再生を目標とする。

 現地での動画の拡散にも力を注ぐ。米国、UAE両国の日本食研究家など地元のインフルエンサーに協力を求める予定で、会員制交流サイト(SNS)に投稿する際の検索目印(ハッシュタグ)に「#福島のコメデリシャス」や「#福島のあんぽ柿デリシャス」を想定。現地の量販店などで想定するイベントへの来場を促す。

 将来的には「#福島の○○デリシャス」のシリーズ化も検討、四季折々で品質が高い農産物を生産する本県の魅力を新たな切り口で発信する構えだ。

 東京電力福島第1原発事故後は、最大55カ国・地域で県産農産物の輸入が規制されたが、その数は徐々に減少している。県は「年間を通じて福島の『デリシャス』を世界に発信していきたい」(農産物流通課)とし、残る14カ国・地域でも輸入規制撤廃を働き掛ける考え。