福島U×いわき、サッカー王国へ新時代 両社長ら新春座談会

 
ボールを手に笑顔を見せる田嶋会長(右)と、フラッグを手に意気込む鈴木社長(右から2人目)、大倉社長(同3人目)。左は中川俊哉福島民友新聞社社長

 福島民友新聞社は新年に当たり、福島ユナイテッドFCといわきFCに日本サッカー協会を交えた新春座談会「福島サッカー新時代」を企画した。いわきFCのJ3昇格で今季、福島UといわきFCによる「福島ダービー」がJリーグの舞台で実現する。「負けたくない」と闘志を燃やす両雄。地域を巻き込み盛り上げていく考えで、「大きな会場で満員のダービーを実現したい」と競技を通した地域活性や復興への思いも語った。

 出席者は、9年目のJ3に挑む福島ユナイテッドFCを運営するAC福島ユナイテッド(福島市)の鈴木勇人社長と、昨季のJFLを制したいわきFCを運営するいわきスポーツクラブ(いわき市)の大倉智社長、日本サッカー協会の田嶋幸三会長。

 福島UといわきFCがこれまで公式戦で対戦したのは天皇杯県代表決定戦。福島ダービーについて鈴木社長が「負けたくないという強い思いがある」と表現すれば、大倉社長は「地域の人にも負けたくないという意識がある」と述べ、福島、いわき両市を中心とした地域を巻き込んだ重要な一戦になると見通した。

 大倉社長は「福島Uがいたから強くなれた」と存在に一目置く。Jヴィレッジスタジアムで昨年2月に行われた「東日本大震災メモリアルマッチ」での敗戦でもう一度原点を見つめ直し、J昇格につながったと明かした。

 福島Uは「福島にJリーグクラブを」との思いを実現するため2002年に福島夢集団として活動を開始。震災と原発事故など逆境を乗り越えてきた。鈴木社長は「(J2昇格への)ライセンスを取得する」と述べ、今季も一丸でJ2入りを目指す考えを強調した。

 若い世代の育成の役割も果たす。鈴木社長は「若い選手が経験を積み、福島Uでプレーする形ができつつある」と説明。大倉社長は「『オール福島』で選手を育成していくのも一つのアイデア」とし、本県の選手強化策に両チームが関わることでレベルアップにつながる可能性に言及した。

 サッカーに本県復興への希望や勇気を見いだす県民も多い。田嶋会長は「(国内有数の施設であるJヴィレッジを有する)福島県は震災前『サッカー王国』を掲げていた」と指摘。震災から次の10年に入ったことを踏まえ「もう一度『サッカー王国』を宣言し、日本のサッカーも盛り上げていってほしい」と提案した。

 今季のJ3はJ2からの「降格組」もいて一層厳しい戦いとなることが予想される。鈴木社長は「新監督を迎え、現チームで成績を上げていく」と話し、大倉社長は「われわれのフットボールが通用するか確かめたい」と意気込みを語った。