「大熊に幸せのおもてなしを」 宿泊温浴施設職員・ホサインさん

 
「相手の心が読めるホテルマンになりたい」と話すホサインさん=大熊町・ほっと大熊

 バングラデシュ出身のホサイン・エムデイ・アビドウさん(25)は大熊町大川原地区に昨秋開所した町唯一の宿泊温浴施設「ほっと大熊」のフロントスタッフとして日々奮闘する。「震災で大変だったけれど、双葉郡には頑張る人たちがたくさんいる。私もその一人になりたい」。大熊を訪れる人たちが心地よく過ごせるよう、精いっぱいの「おもてなし」で迎えている。

 日本の文化や日本人の親切さに興味を持ち、19歳の時に福岡県の日本語学校に留学。「相手の心が読める人になりたい」という思いからホテルマンを志した。専門学校を経て、沖縄県のリゾートホテルで約1年半、レストランスタッフとして勤務した。利用客とより関われるフロントに立ちたかったことから、ほっと大熊に転職した。

 昨春、上司と一緒に初めて町内を訪問した。今なお原発事故の暗い影を落とす地域を目の当たりにし、母国の家族からも心配されたが、復興に取り組む人々の姿を見て「大熊の力になりたい」と決意した。

 着任して約2カ月が過ぎ、少しずつ仕事に慣れてきた。日本語の会話に詰まることがあっても身ぶり手ぶりで伝え、笑顔を絶やさない。

 ある日、町外に避難する町民の利用者から「まるで大熊の自宅で過ごせたかのようにゆっくりできた」と感謝されたときは、うれしくて仕方なかった。

 ホサインさんは「訪れた人の幸せの一部になりたい。大熊でお待ちしてます」と話した。