福島大と山形大、授業相互提供 「旧教育学部」質向上へ

 

 福島大と山形大は新年度から、授業の相互提供を始める。福島大人間発達文化学類と山形大地域教育文化学部との旧教育学部同士の新たな取り組み。少子化に伴い全国的に学類・学部の規模が縮小する中、連携して多様な分野の授業を学生に提供し、教育の質を高める考えだ。録画やオンラインを活用して授業を提供する方針で、新型コロナウイルス禍をきっかけに実現する。福島大として初めてで、全国的にもこうした連携の形は例がないという。

 大学で行っている授業を録画し、映像を相手の大学の学生に見てもらう形で授業を行う。映像はクラウド上に保存してやりとりし、オンラインで相手の大学の学生向けに講義をすることも想定している。学生にはリポート提出などを求めた上で通常の授業と同様に単位を認定する。

 今年10月から試験的に1コマずつの授業を録画して提供し合う。2023年度から本格化させ、複数の授業を相互提供する考えだ。

 国立大学では少子化を背景に人員削減が進められてきた。学生が各教科の教員免許を取得するために必要な教員数が決まっている教員養成課程を持つ学類・学部は、人員減の影響が特に大きく、自前で専任教員を確保するのに苦心している。

 福島大人間発達文化学類は04年に国立大学法人化した当時と比較して、専任教員の数が3分の2程度に減少した。減少分はこれまで特任教員による授業のほか、他大学の教員を非常勤講師として招いて集中講義を実施することで補ってきたが、近年、集中講義の比率が高まり、夏休みなど特定の時期に講義が集中して学生が受講できない事態も起きていた。コロナ禍でオンライン授業が一般化してきた状況も踏まえ、大学間を行き来せずに連携する方法を検討してきた。

 全国を見れば、大学の規模縮小が進み、教員養成の質を担保することなどを目的に大学間で連携するケースが出ている。群馬大と宇都宮大は20年4月に共同教育学部を全国で初めて開設。金沢大と富山大は共同教員養成課程を今年4月に設置する方針を発表した。

 福島大人間発達文化学類の初沢敏生学類長(59)は「小規模の大学は連携しないと生き残れないと考えている。できることから始めていく。連携して学習できる分野の幅を広げ、学生の力を伸ばしていきたい」と話した。(報道部・須田絢一)