触らず簡単文字入力 会津大がシステム開発、感染予防にも一助

 
《1》カメラが接続された画面の前に立つと、肩口に文字盤が表示される 《2》手をパーの形で動かし、グーにして「あかさたな―」から行を決定 《3》「かきくけこ」などから文字を選ぶ画面に移り、入力したい文字の方向に手を動かして入力を完了する

 会津大は、空間に映し出された文字に手をかざすことで、文字を入力できる非接触型のシステムを開発した。特別な練習をしなくても、スマートフォンの文字入力と同じ感覚で操作できるのが特長。市役所や図書館など多くの人が利用する場所に導入することで、新型コロナウイルスなどの感染症対策に役立てることができるとしている。

 開発したのは、パターン処理学を専門とする慎重弼(シンジュンピル)教授(54)。2019年に論文を発表した。県外の病院で共用パソコンのキーボードを介して新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した例も報道されていることから、慎教授は「医療現場や食品会社など厳しい衛生対策が求められる職場での活用も期待できる」と話している。

 上下左右に加え、奥行きを認識できる複眼カメラを使用。カメラが接続された画面の前に立つと、肩口にスマホの文字入力の画面のように「あかさたな―」が並んだ文字盤が表示される。手をパーの形で動かし、グーにして行を決定。「あいうえお」などから文字を選ぶ画面に移り、入力したい文字の方向に手を動かして入力を完了する。平仮名だけでなく、アルファベットや数字の入力も可能。手を前後に動かすことで文字盤の大きさを調節できるのも特長の一つだ。

 慎教授は、カメラの映像から手の付け根と指先を正確に認識できるアルゴリズム(計算手法)を確立し、システムを完成させた。実験では98.6%の精度で文字を入力できたという。

 当初は指1本を立てると「あ行」、2本だと「か行」といったように、指の本数で「あかさたな―」を決めるシステムの開発を進めていたが、手の動きだけで直感的に操作できるシステムに改良したという。慎教授は「元々はSF映画の世界に憧れて非接触型のシステムの開発を始めた。新型コロナ禍で非接触型の需要が高まっているので実用化を目指したい」と意気込む。(若松支社・高崎慎也)