医療機器開発...東北の拠点へ ふくしま支援センター、経営体質改善

 
県境をまたいだ企業のマッチングを本格化させるふくしま医療機器開発支援センター

 ふくしま医療機器開発支援センター(郡山市)は各県と連携して東北地方での医療機器開発を本格化させる。開発に関する情報を集め実用化に向けて企業間の橋渡しをするなど需要を一手に引き受ける。性能評価試験の実施などでセンターの利用拡大も図り、赤字が続く経営体質の改善にもつなげていく考えだ。

 ふくしま医療機器開発支援センターが事務局を担い、各県が開設している産業振興関連の窓口に寄せられた開発に関する相談内容を集約。センターの過去の利用実績などから相談元が求めている技術を持つ企業を紹介したり、相談元とは別の県に該当する企業がないかを問い合わせるなど仲介を進め、マッチングを図る。

 マッチング後は企業を個別に支援して医療機器の実用化を後押しし、製品の用途に応じた性能評価試験をセンターで実施してもらうことを想定している。国内では珍しい豚を使った実験施設や模擬手術室を備えた最先端の環境を生かして県外企業を呼び込み、事業収入の拡大に結び付ける。

 センターによると、これまでに利用実績がある医療機器メーカー約100社のうち7割近くが関東を中心とした県外企業という。センターが中核を担うことで東北の需要を開拓できると判断し、医療機器開発の広域連携を後押しする日本医療研究開発機構(AMED)の「医工連携イノベーション推進事業」の採択を受けて昨年11月から準備を進めてきた。まずは2023年3月末までに15件のマッチングを目指す。その後、全国で同様の枠組みによる事業展開を見込んでいる。

 センターを巡っては、16年11月の開所から事業収入が目標に届かず、運営費の不足分を県の財源で補う状態が続いている。本年度の事業収入は2億2700万円を見込んでいたが、新型コロナウイルスの感染拡大で利用が伸びず、現時点で達成は難しい状況だ。

 小林利彰センター長(66)は「コロナで企業の動きが乏しかった分、各県連携を含めた準備に力を割いてきた。着実に実績を積み上げ、事業収入につなげたい」と話した。