飯野つなごう「手作り公園」 住民有志、5年かけ交流拠点整備へ

 
花立公園の整備予定地で今後の計画について話し合う佐藤さん(中央手前)ら住民有志。後ろに見えるのが公園のシンボルとなる住宅「椿庵」

 福島市飯野町で、住民有志による手作りの世代間交流拠点「花立(はなたて)公園」の整備が進められている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、人と人が触れ合う機会がどうしても減る中、顔が見える地域のつながりを組み立て直すのが狙いだ。メンバーらは「向こう三軒両隣の助け合いができるようになれば」と、今春をめどにした活動の本格化を目指す。住民による住民のための取り組みが動きだしている。

 「地域の人のつながりが希薄になっているのではないか」。地域で高齢者のサポートを展開してきた、NPO法人青いそら理事長の佐藤幸子さん(63)は、新型コロナの流行時にふと感じることがあった。「こんな時に災害が起きたら、お互いに支え合えるだろうか」とも思い、自らが所有する木造平屋の空き家を人が集まる拠点にできないかと考えるようになった。法人の活動を通じて知り合った人たちに協力を呼び掛けた。

 空き家は「椿庵(つばきあん)」と名付け、これまでは月に1回の子ども食堂の会場として使っていた。佐藤さんの趣旨に賛同した有志が集まり、「空き家を中心に多目的に集まることができる公園を造ろう」という話がまとまった。家の周辺は草木が生い茂っていたが、一昨年7月から草刈りや、気軽に散策できる遊歩道づくりに着手した。

 「花立公園」の名称は地名にちなんだものだが、ツバキやハナモモ、サクラなどの花木、山野草などを植樹した。3月には空き家を子ども食堂だけではなく、子どもから大人までが集う寺子屋としても活用する。公園のプレオープニングイベントは4月で、植栽した花の観賞会と合わせて行う予定だ。整備は5カ年計画で、2024年までにキャンプ場や民宿、食堂などを段階的に整備する。

 佐藤さんは、近年多発する自然災害や凶悪な事件に触れ、「お互いに助け支え合う『共助』の精神を未来を担う子どもたちには身に付けてほしい」と語る。人々が力を合わせて暮らしていたであろう、縄文時代の生活を体験できるような竪穴住居を復元させ、公園の目玉にしようと考えている。集団で火おこしや、自然の素材で作った食器を使った食事などを体験してもらう計画だ。

 佐藤さんは「100年後も人と人とのつながりを生み出せるような公園になってほしい」と、仲間と共に整備を進める敷地内で展望を語る。(福田正義)