いわき工場事故「粉じん爆発」と結論 火花着火、連鎖し拡大

 

 いわき市常磐岩ケ岡町の化学品メーカー堺化学工業湯本工場で亜鉛粉末の製造工場建屋が爆発した事故で、同社は7日、亜鉛粉末を大きさでふるい分ける分級工程での粉じん爆発が事故原因だったとする調査結果を発表した。

 装置内に広がった粉末が部品の金属同士の接触で起きた高温の火花で着火し、連鎖爆発で被害が拡大したとみられる。

 工場内では、防さび塗料の材料に使われる亜鉛の粉末などを製造していた。専門家と同社幹部でつくる事故調査委員会によると、粉末に風を送る「分級ファン」の羽根に亜鉛の固まりが固着。装置起動時にはがれ落ち、その影響でファンの回転軸がずれ、部品の金属同士の接触による振動や火花が発生したとみられる。

 伝わった振動で亜鉛粉末を分別する「マルチサイクロン」に残ったままの粉末が配管を通じて装置全体に拡散して粉じん濃度が上昇。粉末がファン内で高温の火花に着火し、粉じん爆発を起こした。

 さらに、集じん機や分別機械の分級機セパレーター、マルチサイクロンで連鎖的に爆発を起こし、被害の拡大につながったとみられる。

 マルチサイクロンの一部には詰まりがあり、当時は710キロの粉末が残っていたとみられる。しかし、作業工程に影響がないとして数年前から放置していたという。分級ファンについては事故の5カ月前の定期点検で異常がなかったという。

 調査委員長の中村昌允東京工大特任教授らは7日、いわき市で記者会見した。中村特任教授は再発防止策について「異常振動時に自動停止するシステム導入や点検回数の増加、監査の徹底が必要だ」と指摘した。

 同社の矢倉敏行管理本部長は「調査内容を重く受け止めており再発防止策に動いていきたい」と話した。

 爆発事故は昨年5月11日に発生し、協力会社の20~60代の男性従業員4人が重軽傷を負った。同社は事故を受け、亜鉛粉末事業から撤退した。事故を巡っては、いわき中央署が業務上過失傷害の疑い、いわき労働基準監督署は労働安全衛生法違反での立件を視野に調べている。