猪苗代・中ノ沢の温泉水、コロナ不活性化に効果 群馬大教授が発表

 
「実験結果を誘客につなげたい」と話す古川社長=猪苗代町・中ノ沢温泉の花見屋

 福島県猪苗代町の中ノ沢温泉株式会社と群馬大の板橋英之教授は7日、中ノ沢温泉の温泉水に新型コロナウイルスを不活性化させる効果があるとの実験結果を発表した。源泉管理などを行う同社の古川泰一郎社長は「実験結果を広くアピールして誘客につなげたい」と期待を寄せる。

 板橋教授は中ノ沢温泉の源泉から湧き出た温泉水を水道水と比較した。それぞれに新型コロナウイルスの溶液を加えて1分間経過すると、ウイルスを増殖できないようにする「不活化力」が、温泉水は水道水の2~3倍になることが分かった。

 原因についてリモート報告会を開いた板橋教授は「温泉水の強酸性が影響しているのでは」と推測。温泉水には「一定の消毒効果がある」と指摘し、「温泉水で手を洗う取り組みを進めてはどうか」と提案した。

 実験結果を受け、古川社長は「効果を誘客につなげるために、まずは温泉水を使った手洗い場の設置を検討したい」と話した。

 板橋教授は昨年1月、草津温泉(群馬県草津町)の温泉水に新型コロナウイルスを不活性化させる効果があると発表。中ノ沢温泉も草津温泉と同様に強酸性の湯として知られることから、同社が昨年10月に板橋教授に調査を依頼した。

 中ノ沢温泉街は、猪苗代町東部の山あいに位置し、江戸中期から胃腸の名湯として親しまれてきた。単一源泉では湯量日本一の「沼尻元湯」は中ノ沢、沼尻両温泉の源泉になっており、安達太良山を流れる硫黄川の上流に毎分約1万3400リットルの湯が湧き出ている。