2年ぶり「双葉ダルマ市」 最後のいわき開催、古里復興や幸願う

 
復興公営住宅の広場で巨大ダルマを引き合う双葉町民ら=8日午後、いわき市勿来町

 東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続く双葉町の新春恒例行事「双葉ダルマ市」は8日、いわき市の復興公営住宅勿来酒井団地で2年ぶりに始まった。早ければ6月の帰還開始を目指す町にとって、同市での開催は今回が最後となる見通しで、古里の復興や1年の多幸を願う双葉町民、いわき市民らでにぎわっている。9日まで。

 「みんなに会えるのがダルマ市。開催できて本当に良かった」。ダルマ市を主催する町民有志の会「夢ふたば人」会長の中谷祥久さん(41)は、新型コロナウイルスの感染拡大で一度は途切れた伝統行事の復活に目を細めた。

 夢ふたば人は江戸時代から続く伝統行事を継続しようと、2012(平成24)年から同市南台の仮設住宅でダルマ市を開催。19年から会場を勿来酒井団地に移した。昨年は新型コロナの拡大で開催を見送り、関係者が双葉町でダルマの販売会を開くにとどまった。

 2年ぶりのダルマ市では、例年と変わらず縁起物「双葉ダルマ」を販売するテントや模擬店などが軒を連ねた。名物イベント「巨大ダルマ引き」では、約200人の参加者が、感染防止対策として手を消毒して威勢よく綱を引き合った。

 双葉町では現在、帰還に向けて町役場仮設庁舎や災害公営住宅などの整備が進む。中谷さんは「いわきの人にはずいぶんお世話になった」と感謝するとともに、「双葉でもダルマ市を知らない子どもたちや移住者らにアピールしていきたい」とその日が来ることを待ち遠しそうに語った。

 ダルマ市は入場口を2カ所に限定し、検温と手指を消毒したことを示すリストバンドを発行するなど、新型コロナの感染防止対策を取って開かれている。