念願の成人式、笑顔満開 西会津1年5カ月、塙は1年ぶり

 
(上)1年5カ月ぶりで行われた西会津町の成人式に臨む出席者。久しぶりの友との再会を喜んだ(下)友人らと記念撮影する塙町の成人式の出席者

 福島県内の一部町村で8日に行われた成人式。この中には、新型コロナウイルスの影響で1年以上の延期を経て実現した式もあった。「一生に一度の晴れ舞台を」という願いと関係者の協力で開催された異例の式。出席者は特別な思いを胸に、今後の人生に向けて自覚を新たにしていた。

 西会津 「諦めたくない」実る

 西会津町では、おととし8月に開催予定だった成人式が新型コロナウイルスの影響で延期に。昨年夏にも再延期となっていた。「開催まで大変だったが、できて良かった」。実行委員会副委員長の加藤孝明さん(21)は念願の開催に、友人らの笑顔を見ながらしみじみと語った。

 「このまま中止となってしまうのか」。最初に延期が決まった後、加藤さんらが同級生に声を掛けたところ、「一生に一度の晴れ舞台。やりたい」という声が寄せられたという。実行委は「諦めたくない」と開催に向け町と協議を進めた。「自分が感染していた場合、町に迷惑を掛けてしまうのが怖い」との声もあり、感染状況を注視しながら、開催時期を模索した。

 感染状況が落ち着いたため今回の開催が決定。町は例年、夏に式を実施しており、冬の成人式は数十年ぶり。町と実行委員会は積雪対策など準備を重ね、会場となった西会津中の関係者も除雪作業などで開催を後押しした。出席は、対象者と町関係者に制限し、対象者にはワクチン接種やPCR検査の有無などを確認する問診票の提出も義務付けた。

 式には会場に12人、オンラインで1人が出席。出席者は当初予定の半分にはなったが、再会を喜ぶ笑顔が広がった。新潟大に通う秦美沙希さん(21)は「本当にできるか不安だったが、信じて辛抱強く我慢したかいがあった。みんなに会えてうれしい」と喜んだ。加藤さんも「離れていてもふるさとを思う気持ちは一緒だと感じた。開催して良かった。いい思い出になるはず」と語った。 

 塙 「大人の自覚持つ」

 塙町でも8日、延期になっていた昨年の成人式が、約1年ぶりに開催された。

 埼玉県の大学で美術を学んでいる大野奈音(なお)さん(21)は、昨年の式が延期になり、大人になるという実感があまり持てずにいたという。「式という節目に参加し、大人になったことを実感できうれしい。自覚を持ち、行動を変えていきたい」と話した。栃木県の大学に通う鈴木菜月さん(20)は、コロナ禍で帰省することができず、前撮りの日程がずれるなど調整に苦労した。それでも「式が中止にならなくて良かった。就職活動も始まるので、社会人に向け一歩ずつ踏み出していきたい」と思いを語った。