「福島の未来」提言 震災10年10カ月「ナラティブ・プレゼン」

 
「福島についてこれからも考え続けたい」と語る愛沢さん

 県内の高校生が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年10カ月を迎える本県に対する思いを発表する「ナラティブ・プレゼンテーション」は9日、いわき市で開かれた。生徒たちは震災の経験から得た学びや悩みを紹介しながら、それぞれが考える福島の未来の在り方を提言した。

 県環境創造センターの主催。震災時に小学生だった現在の高校生たちがこれまでに感じてきた思いを形にすることで、復興の姿や課題を県内外に発信する狙いで2回目の開催。公募で選ばれた2期生20人が半年間にわたって講座などに参加し、本県の現状や効果的な伝え方を学んできた。

 発表者のうち、浪江町出身の愛沢美優さん(磐城桜が丘高1年)は震災で一時、県外避難した。自分の現状に「仕方ない」という言葉を使うようになり、自信が持てなくなったと語った。「自分にとっての福島とは何か」が分かれば変わるかもしれないと、今回の事業に参加し「この先もずっと考えていくことが自分にとっての福島なんだ」と思い至ったという。愛沢さんは「『仕方ない』は福島全体にも存在する。そこで終わるのではなく、考え続けてほしい」と訴えた。

 また堀江美音さん(福島高1年)は、中学時代にアイルランドで「原発事故があった福島に人は住んでいるのか」と言われ、時間がたっても外部の認識が変わらない状況にショックを受けた経験を紹介した。的確な情報を広く発信するために観光パンフレットの活用を提案し「『パンフ旅』として、見て、実際に触れ、それを繰り返すことで福島の魅力を発見できる」と提言した。

 発表会にはプレゼンテーションクリエーターの前田鎌利氏や東京大大学院准教教授の開沼博氏、福島市在住の詩人和合亮一氏らも参加。生徒たちの発表を講評し、助言した。