「火伏せ祭り」11年ぶりに復活 小高・貴船神社、無火災を願う

 
地域の無火災を願い神楽を奉納した南小高神楽保存会=9日午前、南相馬市小高区・貴船神社

 南相馬市小高区の貴船(きぶね)神社で9日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で途絶えていた「火伏せ祭り」が11年ぶりに復活した。地元の芸能保存会が境内で神楽を奉納し、集まった地域住民が今年1年の無火災を願った。

 貴船神社の火伏せ祭りは、明治時代に小高区を襲った大火の後、火よけの願いを込めて始まり、毎年1月に行われていた。神楽の奉納のほか、厄年の大人や子どもたちがみこしを担いで地域を巡ったりする伝統行事だった。

 震災の地震で社殿が壊れたが、2018(平成30)年までに修繕工事が完了。氏子や地元行政区長たちが「原発事故で全国に散り散りになった人々のつながりを取り戻したい」と祭りの準備を進めてきた。みこしの担ぎ手となる若年層の帰還が進んでいない状況を踏まえ、今回は境内で神事のみを実施した。

 境内では南小高神楽保存会が威勢のいい神楽を披露し、お札などを焼く「どんと焼」も行われた。氏子総代の佐藤禎晃(ただあき)さん(82)は「無火災を祈ったのはもちろん、若い人たちの帰還や移住も願った。『みこしを担ぎたい』と思う人たちが増えれば、来年はみこし担ぎを復活させたい」と話した。