福島県内初の快挙「美容ミシュラン」 いわき・スランドル受賞

 
アワードの受賞を喜ぶスタッフと小松さん(中央)

 国内の優れた美容師や美容室を表彰する「カミカリスマ2022アワード」のグレイティーインフィニティー部門に、いわき市鹿島町の美容室「SLUNDRE(スランドル)」が選ばれた。「美容版ミシュラン」とも呼ばれる同アワードの受賞は、県内唯一で初の快挙。代表の小松伸満さん(40)=同市出身=は「誇りを持って日々の仕事に取り組む」と決意を新たにした。

 同アワードは日本の美容文化を世界に発信しようと、外務省などが後援するカミカリスマ実行委員会が主催。過去2回は東京とその近郊を対象としていたが、今回から全国各地に広げた「グレイティーインフィニティー部門」を新設した。

 同部門では、全国の美容室約20万軒と美容師約50万人の中から技術力や発信力、仕事への姿勢など七つの基準を満たした193軒と46人を認定。スランドルは、スタッフを含めたチームとしての能力と無限の可能性を持つ美容室をたたえる「サロン部門」の中のカット技術で評価された。選ばれた美容室と美容師は、世界九つの国と地域で発売するガイドブックに掲載される。小松さんは「芯を持って指導し、現在のチームをつくり上げた。受賞はとても意味のあること」と語る。

 小松さんは、20歳から12年間、都内の美容室で修業を積んだ。ファッション誌の企画に携わるなどしていたが、東日本大震災で妻の友紀さん(39)=同市出身=の実家が津波で被災したことを機に同市へ戻り、2014年にスランドルを開店した。

 現在、12人のスタッフが働く同店は「生まれ育った街に、突き抜けたヘアサロンを」を基本理念に、年間約8000人のヘアスタイルを生み出している。小松さんは「東京の店に負けないクオリティーを地方から発信するため、人材育成に力を入れてきた」と振り返る。

 同店では、独自の試験に合格した人のみがスタイリストとして客に施術ができる。試験の厳しさもあり、若い人材の定着が課題となっていた。悩んだ時もあったが「地方の人材を育て、技術を伝えることで地域を活性化したい」との思いで、美容師を志す若者と向き合ってきた。

 小松さんは昨年12月の受賞式で贈られた盾を手に「チームとして受賞できたことがとてもうれしい。これからも妥協することなく、高い技術を提供し続けたい」と笑顔を見せた。