外国人の心の支えに、被災地発信も... 南相馬・相談員の只野さん

 
「悩み相談を通して、外国人の支えになりたい」と話す只野さん

 南相馬市の只野由香利さん(26)は、同市の外国人活躍支援センター「SAKURA(サクラ)」で外国人の悩みを聞く相談員として奮闘している。東日本大震災後に経験した海外渡航の経験を生かし「外国人の心の支えとなり、サクラが最後のとりでとなれるよう頑張りたい」と意気込む。

 只野さんが海外に興味を持ったのは高校1年の時。ロータリークラブの被災地支援の一環で、オーストリアへ派遣され、海外の文化に触れた。その後、2年の夏から3年の夏まで米国の高校に留学したり、大学では国際教養を学んで世界各国を旅したりするなどして、次第に海外に関わる仕事をしたいと思うようになった。

 ただ、海外で本県出身であることを告げると、東京電力福島第1原発事故や津波被災などの話題になった。そのたびに外国人の疑問に答えようとしたが、被災地である地元のことを深く知らず、本県の現状をうまく伝えることができなかった。自身も避難を経験したり、津波被害の光景を見てきたりしたにもかかわらず、何も伝えられなかった自分に悔しさを感じた。

 そこで、卒業後はUターン就職を決意。海外に関わりたいという夢は持ちつつ、小高区の複合サービス会社「小高ワーカーズベース」で働きながら、震災や地元の歴史を勉強し直した。

 昨年6月にサクラがオープンすると、相談員として本格的に働き始め、本県の現状を発信するほか、市内に在住している外国人の医療・福祉、社会制度などに関する悩みについて英語を使って相談に乗っている。今年は日本語教師の資格も取得する予定で、支援活動の幅を広げていく。

 「避難で仲の良かった友人と離れ、つらい思いをした。ただ、海外では現地の人たちが温かく受け入れてくれて救われた。今度は自分が外国人の支えになりたい」と只野さん。ただ、悩み相談はあくまでも対等に接すると強調する。「サクラに訪れる外国人は自分と同じぐらいの年齢の人が多い。気軽に悩みを打ち明けられる友人のような存在であり続けたい」と話した。