いわき川前を応援! 地ビール完成、協力隊と住民協力...原料栽培

 
完成した「カワマエール」を手に川前地区の振興へ意気込む三戸さん

 いわき市地域おこし協力隊の三戸大輔さん(34)が中心となって開発を進めていた、同市川前町の地ビール「KAWAMALE(カワマエール)」が完成した。三戸さんは2023年度中をめどに同地区内に醸造所をつくり本格的に販売する考えで、「人口が減少する中山間地を盛り上げたい」と意気込む。

 三戸さんや市、県の関係者が11日、同市で会見し完成を報告した。地ビールは、県の振興事業の委託を受けて、三戸さんら川前町振興対策協議会が開発した。2020年6月に三戸さんが協力隊に就任して提案し、地区住民の協力を得て進めてきた。

 地ビールの原料となる大麦とホップは、地元農家の協力を得て、地区の休耕田を活用して作っている。三戸さんは「地元の思いが込められている。フルーティーな香りと飲み応えが特徴」とできばえにも自信を示す。

 同市出身の三戸さんは、30歳の時にワーキングホリデーでオーストラリアを訪れ、ビールに興味を持った。その後、ドイツや広島の醸造所で働き、製造法を学んだ。地元に戻るきっかけとして協力隊に応募し川前地区を訪れると、50年程前にビール会社に納める大麦が作られていたことを知った。「経験を生かした特産品を作れるのではないか」。そこから地ビールづくりが動き出した。

 商品名の「カワマエール」は、ビール系飲料の種類を示す「エール」という言葉に、応援の「エール」という意味も込め名付けた。今回完成したビールはまず地元住民や関係者に配布する予定だ。まだ販売予定はないが地区内に建物を借り、来年3月に協力隊の任期を終えた後に起業し、生産の準備に入る考えだ。

 市北西部の川前地区は山がちの地域で、人口の減少や産業の担い手不足が課題だ。三戸さんは「同じ考えの仲間を増やしにぎわいをつくることで、地域が抱える問題の解決につなげたい」と話した。