ポップサーカスが未経験者育成制度 コロナで公演中止、再起へ一手

 
合宿訓練で講師らから、サーカスの基礎を学んだ自主訓練生

 福島県のほか、全国各地で公演を行うサーカス集団「ポップサーカス」は新たに、ステージで演じるサーカスアーティストの育成制度をつくった。同団体はこれまで経験者を採用してきたが、未経験者を育てるのは初の試み。新型コロナウイルスの感染拡大で公演休止が続く中、新たな一手で再起を目指す。

 ポップサーカスは大型テントを使用して公演することなどから、国や自治体が定める大規模イベントの自粛要請、人数制限の影響で2020年2月から公演を休止している。

 育成制度は再開後を見据え、国内でサーカスに携わる人材を育てるのが目的。全国から約20人の応募があり、6人が事前選考を通過して自主訓練生となった。

 6人は9、10の両日、大阪市で初の合宿訓練を行い、同団体の専属講師からサーカスの基礎となる技術を学んだ。倒立など腕を使ってバランスを取る「ハンドバランス」や、バック転など跳躍や回転を行う「タンブリング」といった動作を習得。営業部長の水谷武明さん(49)は「世界でも通用する高い技術を持ったサーカスアーティストを育てていく」と力を込める。

 一方、コロナ禍で苦しい現実もある。興行収入がなくても設備の維持や保管、団員が練習する環境の確保などに多くの費用がかかるためだ。このため同団体は、20年8月にインターネット上で資金を募るクラウドファンディングを実施。すると、過去の公演を見た人や親交のある関係者ら全国の約800人から、目標金額を大幅に上回る支援が集まった。水谷さんは「『また見に行きたい』との声を多くもらって目頭が熱くなった。絶対に再開しようと気持ちが奮い立った」と振り返る。

 現在は公演場所の選定や、母国に一時帰国している団員と連絡を取るなど再開に向けた準備を進める。団員たちも日夜トレーニングに励み、技術向上に努めている。「しばらく時間がかかりそうだが、以前より磨きがかかったエンターテインメントを提供したい」。水谷さんは、大型テント内に再び歓声が戻る日を待ち望んでいる。(小泉文章)

 ◆育成制度の募集要項

 ・対象=16~28歳で心身ともに健康な人。第1次書類選考と第2次面接審査(マット運動など含む)を実施
 ・応募方法=身長、体重を明記した履歴書と体のラインが分かる全身、上半身の写真各1枚、志望動機か自己PR(書面、動画いずれでも可)を郵送。任意でダンスやパフォーマンスなどの動画も受け付ける
 ・郵送先=ポップサーカス育成制度担当(郵便番号542―0082、大阪市中央区島之内2の15の16の1102)。問い合わせは同担当(電話06・6212・2152、平日午前9時~午後5時)


 ポップサーカス 1996(平成8)年に創業したサーカス団。世界中から集結したサーカスアーティストらによるアクロバットパフォーマンスなどが好評で、日本各地を移動しながら公演を行っている。県内でも2019(令和元)年9~11月の福島民友新聞創刊125周年を記念した郡山公演を成功させるなど、多くの人気を得ている。