福島県、農繁期担い手確保 22年度から、浜通りでモデルづくり

 

 県は、野菜や果物など品目ごとの農繁期に必要な労働力を呼び込み、地域の農業者につなぐモデルの構築に着手する。東日本大震災後の営農再開が進む一方で、担い手不足が顕著な浜通りでモデルをつくり、全県に波及させる。農繁期に絞った短期間の雇用で効率的に人手を確保するのに加え、農業を入り口とした関係人口の拡大も図る。

 浜通り15市町村の農業者5経営体程度を対象に、それぞれの品目の農繁期に合わせて実施する。農業者と担い手双方の需要調査や農場のスケジュール管理、農作業の技術指導などについて検討を進めていく。今後、農業者団体などからプロポーザル方式で事業計画を募り、品目や労働期間など制度の詳細を詰める。浜通りでの効果を検証した上で本年度から3年をかけて全県に取り組みを広げていく。

 首都圏の若者を対象に、浜通りでの農作業体験と地域交流を合わせたツアーも展開する。4泊5日程度のツアーを複数回実施する予定で、新規就農や浜通りでの仕事に興味を持つ人に参加を呼びかけ、関係人口を増やす。

 本県は農業者の高齢化や後継者不足を背景に、担い手確保が課題となっている。特に浜通りは、イチゴやタマネギ、ブロッコリー、サツマイモ、トマトなど多様な品目で営農再開が進む一方、住民帰還が進んでいない地域もあり、人手不足が顕著だ。労働者不足を理由に営農再開に踏み切れないケースもみられる。

 県が2019年に行ったアンケートでは、県内の農業法人の7割以上が人手不足を訴えている。県によると、これまで農繁期には農業者自身が隣近所に頼んだり、シルバー人材センターを活用したりして人手を確保していたが、高齢化の進展などから個人での対応が困難になっているという。このため県は、農繁期に安定して労働力を確保・供給できる仕組みを構築することが、産地を維持していく上で必要とみている。