海へのセシウム流出量解析 福島大、浜通り3河川の出水時

 

 福島大環境放射能研究所の脇山義史准教授を代表とする研究グループは、浜通りの3河川で出水時の放射性セシウム137の動きを解析した結果、海への流出量は河川流域に沈着した量の100万分の1~1万分の1に相当するとの研究結果をまとめた。

 脇山氏は、雨の量と強さから求められる指標値を使うことでより良く流出量を再現できると説明。「流域の上流から海に至るまで、セシウム137の動きを予測する上で重要な知見が得られた」としている。

 2019~20年に発生した台風など3回の出水時に新田川、請戸川、高瀬川で東京電力福島第1原発事故由来のセシウム137の状況を調べた。主に土砂などの濁り成分に含まれる形で海に流出しており、濁り成分に含まれるセシウム137のうち、2.1~6.6%が海水中に溶け出すとの推定も示した。

 脇山氏は「雨の量や流域の規模で流出量は変わる」と説明した。セシウム137の動きを予測するには、沈着量や沈着量の分布、ダムの有無など流域の特性に着目する必要があるとした。

 海に近い下流域でセシウム137の動きを解析した研究は学術的に新しいという。国際学術誌「サイエンス・オブ・ザ・トータル・エンバイロメント」に論文を発表した。責任著者は脇山氏で、筆頭著者は同研究所の大学院教育課程を修了した新井田拓也氏。同課程の修了生を筆頭著者とする初の国際論文となった。