処理水放出審査を終了 原子力規制委、計画認可手続きへ

 

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、原子力規制委員会は15日、東電が提出した放出計画の安全性を確認する審査をほぼ終えた。5月中にも事実上の合格を示す「審査書案」を作成し、意見公募など計画の認可に向けた手続きに入る。東電は認可を受け、6月から放出に必要な設備の本格的な設置工事に着手したい意向だが、実現に向けては地元自治体の同意を得られるかが焦点となる。

 規制委は15日に開いた審査会合で、東電から放出に伴う住民の被ばく線量など環境影響について説明を受けた後、「中身が不十分な論点は残っていない」と評価した。

 審査会合は、東電が審査を申請した昨年12月から13回にわたって開かれ、処理水を海水で薄める設備の性能や、十分に薄められないなどの異常が起きた際の設備の緊急停止方法、地震と津波対策などについて議論してきた。

 東電は今後、これまでの審査会合での議論を反映した補正申請書を規制委側に提出する。補正を踏まえ規制委側は審査書案を作成し、1カ月程度の意見公募を経て、正式に認可する方針。

 政府と東電は、2023年春ごろの放出開始を目標としている。東電の計画では、処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度が国の基準の40分の1未満となるよう海水で薄め、海底トンネルを通して沖合約1キロで放出する。

 海洋放出を巡っては、漁業者が「断固反対」との立場を崩していない。設備工事に関し、県は浜通り13市町村の意見などを踏まえ了承するかどうか検討する。

 審査がほぼ終了したことを受け、東電は「審査会合での(規制委側の)意見を受け止め、申請書に反映させる。関係者に対しても引き続き丁寧に説明し、理解を深めてもらえるよう全力で取り組む」としている。