戻らぬ交通、生活に影 震度6強地震で被害、伊達橋や阿武急

 
地震で段差が生じ通行止めが続く伊達橋=伊達市

 福島県沖を震源とし最大震度6強を観測した地震は16日、発生から1カ月が経過した。交通インフラに大きな被害が出た伊達市や桑折町では、国道399号の伊達橋(伊達市)や桑折町道の昭和大橋など阿武隈川の主要な橋の通行止めが続いており、通勤通学の足となっていた阿武隈急行(伊達市)の運休も重なって住民生活に大きな影響が出ている。

 「震災や昨年2月の(本県沖)地震でも耐えた伊達橋が使えなくなるなんて、考えたこともなかった」。橋に程近い伊達貨物運送(伊達市)の酒井良晃社長はため息をつく。被災前は伊達橋を使ってすぐ国道4号に出ることができたが、現在は国道に出るだけでも以前より5キロ以上遠回りせざるを得ないという。燃料高騰もあって経済的負担も増しており「燃料費だけで月30万~40万円、年間で400万円近くは負担が増えそうだ」と頭を悩ませる。

 伊達市と桑折町では阿武隈川に架かる3本の橋が被災した。このうち伊達崎(だんざき)橋では大型車を除く通行が可能となったものの、トラックなどの大型車両は国道4号とつながる主要ルートが閉ざされたままだ。両市町に工場を持つ山吉青果食品(伊達市)も会社近くに架かる伊達橋が使えず遠回りで商品を運ぶ。同社関係者は「自然災害だから仕方ないが、(伊達橋の)通行止めが長く続くと厳しい」と一日も早い復旧を願う。

 迂回(うかい)路の通勤時間帯の混雑も問題になっており、伊達市から福島市へ通勤する会社員舟山宗克さん(45)は「伊達橋を使えば30分くらいで通勤できていたが、今は20分早く家を出ている。迂回路の大正橋は片側1車線で、右折車などがあると渋滞して進まない」と嘆く。

 長引く阿武隈急行の運休も沿線住民を困らせる。地震で線路や橋、駅のホームなどが激しく損傷し、現在も全線で運休が続く。18日からは梁川―槻木駅(宮城県柴田町)で順次運転を再開する予定だが、特に被害が大きかった福島―梁川は5月末までの運休が決まっており、6月以降も再開のめどは立っていない。

 沿線住民は代替バスなどを使って通勤、通学を続ける。福島市内の高校に通うため、梁川駅でバスを待っていた男子生徒(17)は「朝は少し混んでいる。部活動などで帰りのバスに間に合わないときは東北線を使うなどしている。早く復旧してほしい」と話した。運休長期化は新生活が始まった学生や社会人の通学・通勤の足に影響を及ぼしている。