3月景気「持ち直しの動きが鈍化」 日銀福島、総括判断据え置き

 

 日銀福島支店は18日発表した3月の県金融経済概況で、県内景気について「供給制約や新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、地震の影響もあり、持ち直しの動きが鈍化している」とし、3カ月連続で同水準の総括判断とした。

 生産活動は本県沖を震源に最大震度6強を観測した3月の地震を受け、1年10カ月ぶりの下方修正となった。昨年2月の地震と比べて現時点で被害が確認されている企業は少ないが、県内で比較的規模の大きい工場が被災したため。半導体不足などサプライチェーン(供給網)の問題も続き、製造業では部品の調達状況によって生産量を調整せざるを得ない状況が目立つ。

 一方、雇用・所得は製造業を中心に人手不足感の強まりから改善の動きがみられ、1年ぶりに判断を引き上げた。2月の有効求人倍率は1.41倍で2020年1月以来の高水準を記録。賃金面も1月の現金給与総額が前年比3.6%増に伸び、雇用者所得が7カ月ぶりに前年を上回った。このほか、個人消費は新型コロナのまん延防止等重点措置が解除され、外食の客足が持ち直したが、夜の需要回復は鈍いという。3月の地震で東北新幹線が一時運休し、旅行業は厳しい経営環境を強いられた。

 福島市で記者会見した植田リサ支店長は宿泊費用の一部を補助する県民割などに触れ、「県内経済は緩やかに回復すると見込んでいる」と述べた。約20年ぶりの水準となっている円安ドル高の影響にも言及し、「円安は海外で稼ぐ企業にとってはプラスになるが、県内では逆に輸入コストの上昇で負の影響を受けるところが多い」と指摘した。