夫急逝直前植栽...チューリップ5000本開花 福島、景観保全に思い

 
「多くの人に足を運んでもらい、気軽に写真でも撮って楽しんでもらいたい」と話す薫子さん(右)と尚人さん

 のどかな畑一面に赤や白、黄色など色とりどりのチューリップが咲き誇っている。福島市成川の鈴木信良さんが昨年11月、65歳で急逝する直前に自宅の畑に球根を植えた約5千本のチューリップだ。凛と咲く花を前に妻の薫子さん(65)、三男尚人さん(30)は「多くの人に足を運んでもらい、気軽に写真でも撮って楽しんでもらいたい」と思いを語る。

 信良さんは生前、景観への強い思いを持っており、地元の成川北部地区農風景保全会の発起人となって自宅周辺に花を植えるなど地域の人と共に精力的に活動。荒川の環境保護にも尽力した。薫子さんは「人望がとても厚い人だった」と振り返る。

 「散歩や通学している人の癒やしになってくれれば」と、5年ほど前からは自宅前の道路沿いなどにチューリップの球根を植え始めた。昨年11月には規模を広げるため、自宅隣の畑に近所の子どもたちやボランティアの協力を得て約5千本分の球根を植えた。急逝したのは、それから1カ月もたたないうちだった。

 その後は薫子さんたち家族が畑を見守り、チューリップは健やかに成長した。

 信良さんの逝去から約5カ月。家族の気持ちの整理もついてきた中、畑の赤、白、黄色、ピンク、紫のチューリップが18日までに満開を迎えた。薫子さんは「多くの人に見てもらえればお父さんも喜んでくれる」と話し、尚人さんは「父の思いをつないで来年以降も咲かせたい」と誓う。場所は福島市成川字五反田27。