爆発事故、6社争う姿勢 郡山市が提訴、次回争点整理手続き

 

 福島県郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で2020年7月に起きた爆発事故を巡り、市が運営元の高島屋商店など6社に災害見舞金や避難所運営費など計約610万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論は22日、地裁郡山支部(本村洋平裁判長)で開かれた。6社はいずれも請求棄却を求める答弁書を提出、争う姿勢を示した。

 同店にガスを供給していた伊東石油は答弁書で、「ガス管を定期点検する義務はない」、店をチェーン展開するレインズインターナショナルは「店舗を運営する立場ではなく、監督する義務はなかった」などと主張。残りの4社は今後、主張するとしている。次回は6月28日午後4時から争点整理手続きを行い、被告6社の認否や争点が明らかになるとみられる。

 訴状によると、6社はガス管を適切に設置、管理せずに事故を引き起こしたなどとしている。

 経済産業省がまとめた調査報告書によると、爆発事故は調理場のガス管が腐食し、亀裂部分から漏えいしたガスに引火して発生。改修工事業者の男性1人が死亡したほか、近隣住民ら19人が重軽傷を負った。

 品川萬里市長は「裁判により責任の所在が明らかになり、市民の安全・安心な生活につながることを期待している」とコメントした。

 「市が率先し裁判」 原告代理人

 郡山市側代理人の滝田三良弁護士は第1回口頭弁論後、報道機関の取材に応じ、「市民が甚大な被害を受けているのに刑事裁判の見通しが立っておらず、いまだ責任の所在がはっきりしていない」と指摘。「民事上の責任の所在を明らかにするため、被害に遭った住民や事業所を代表し、市が率先して裁判を進めていく」と訴訟の意義を語った。

 爆発事故によって家屋などに被害を受けるなどした周辺住民らへの補償は、責任の所在が明らかになっていないため、いまだ進んでいない。全壊判定を受けた自宅を保険で修繕した60代男性は「進展がない中で、市に道しるべとなってもらいたい」と話した。事故を巡っては、県警が昨年9月に業務上過失致死傷などの容疑で高島屋商店の社長やガス工事業者、法定点検を委託されていた保安機関の担当者らを書類送検している。