原告、二審見直し求め結審 原発事故群馬訴訟

 
横断幕を手に最高裁前を行進する原告ら=22日午後1時25分、最高裁

 東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟で、群馬訴訟の上告審弁論は22日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれ、結審した。同種の集団訴訟では千葉訴訟に続く2件目の最高裁弁論。最高裁は5月中旬までに福島、愛媛の各訴訟の弁論を開き、今夏にも国の責任の有無について初の統一判断を示す見通し。

 千葉、群馬、福島、愛媛の4件の上告審は高裁判決で判断が分かれた国の責任について審理される。群馬訴訟は2013(平成25)年に提訴。一審前橋地裁は国の責任を認めていたが、二審東京高裁では一審の判決を取り消し国の責任を否定した。ほか3件は高裁で国の責任を認めており、群馬訴訟は唯一判断が分かれた。

 原告側は弁論で、二審判決で専門家の間でも異論があるなどとして信頼性が認められなかった国の地震予測「長期評価」について、「わが国の地震学の専門家が議論を重ねて策定したもの」と信頼性の高さを主張。長期評価を考慮して判断すれば巨大津波の予見が可能で、「国の規制権限の不行使が違法であったことは明らか」と強調した。

 国側は、原告側が信頼性があるとする長期評価は専門家の間の確かな見解として認められるものではないと主張し、「仮に試算した津波を前提として規制権限を行使し、防潮堤や防波堤を設置したとしても事故の発生を防ぐことは不可能だった」と述べた。

 千葉訴訟の上告審弁論は15日に開かれ、結審。福島訴訟は25日、愛媛訴訟は5月16日に開かれる。

 原告代表「国の責任逃れ許せない」

 上告審弁論では原告の代表として、いわき市から前橋市に自主避難した丹治杉江さん(65)が意見陳述した。約12分の弁論で、時折声を震わせながら「原発事故で流した涙、奪われた命や暮らしを絶対無駄にしてほしくない」などと訴えた。

 丹治さんは2011(平成23)年3月13日に避難を決断。いわき市では夫が家電の修理専門店を営み、家はサロンのように友人らでにぎわっていたという。

 学校でいじめを受けた子どもを持つ親や体調を崩し若くして亡くなった人など、同じように自主避難で苦しんできた人の話も法廷で伝えた。「重大な事故を起こして、東電に賠償金を払わせ国は責任を逃れるなんて許せない。国の責任を明確にしてほしい」と強く訴えた。