福島県内同業者「人ごとではない」 知床沖観光船事故10人死亡

 

 北海道・知床半島沖のオホーツク海で観光船「KAZU 1(カズワン)=19トン」が浸水し、子ども2人を含む乗客乗員26人が安否不明となった事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は24日午後、知床岬先端付近の岩場などで発見救助した10人全員の死亡を確認したと発表した。男性7人と女性3人でいずれも大人とみられ、身元の特定を進めている。また、地元斜里町の幹部は同日夜、乗客名簿に本県など9都道府県の13グループが含まれていたと明らかにした。国土交通省によると、年齢は10歳未満から70代。

 県内にも衝撃、安全航行に決意

 北海道・知床半島沖の観光船による重大事故の発生に、県内にも大きな衝撃が広がった。

 「人ごととは思えない。恐ろしい」。猪苗代湖の観光遊覧船「はくちょう丸」を運航する猪苗代観光船(猪苗代町)の渡部英一社長(70)は、事故の一報を聞いてそう感じたという。

 24日朝、スタッフを集め「気を緩めないで安全・安心の航行を続けていこう」と呼びかけた。日頃から避難訓練などの対策を万全に行っているが「今後も一層、安全な航行に向けて努力していきたい」と決意を語った。

 小名浜港で観光遊覧船「サンシャイン シーガル」を運航している小名浜デイクルーズ(いわき市)の取締役の太田丈人さん(57)は「関係機関と連携して万全の対策を講じている」と万が一に備える同社の取り組みについて話した。

 船は船舶安全法に基づく検査に2月に受けて合格している上、救命胴衣の設置状況などについて関係機関の点検を受けている。福島海上保安部などと合同で海難救助訓練も実施しており、太田さんは「乗組員も熟練者で、安全への意識を常に持って航行するようにしている」とした。

 アクアマリンふくしま(いわき市)は長年、北海道の知床羅臼沖で、現地の漁師の協力を得て深海魚などの調査を行っている。調査を担う同館の松崎浩二さん(47)は「知床半島東側の羅臼沖は深い海だが、斜里町のある半島西側は浅い海域が続く。天候が悪く風が吹くと波が高くなり、現在は水温も低いはずだ」と話す。「(まだ見つかっていない)乗客、乗員が心配だ」と切実な思いを口にした。