原発集団訴訟、福島も結審 最高裁、22年夏にも初の統一判断へ

 

 東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟で、福島訴訟(生業(なりわい)訴訟)の上告審弁論は25日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれ、結審した。同種の集団訴訟では千葉、群馬各訴訟に続く3件目の最高裁弁論。5月中旬には愛媛訴訟の弁論が開かれ、最高裁は今夏にも国の責任の有無について初の統一判断を示す見通し。期日は後日、指定される。

 生業訴訟は、原発事故で地元でのなりわいを奪われて生活が一変したとして、本県住民や事故後に各地に避難した住民らが提訴した。

 全国30ある同種の集団訴訟の中で最大規模。一審福島地裁、二審仙台高裁ともに国と東電の責任を認定した。

 上告審では津波対策を巡る国の責任の有無などが争点となっている。原告側は弁論で、国の地震予測「長期評価」は「客観的で合理的根拠のある科学的知見」と主張。国の対応について「(長期評価を重視しない)東電の報告を受け入れ、規制当局の役割を果たさなかった」とした高裁判決を強調した上で「東電の津波対策が万全か厳格に判断すべきだった」とした。

 国側は長期評価について「原子力規制に取り入れるべき正当な見解として是認されるような知見ではなかった」と主張。その上で「国が事故発生までに実施した(津波対策)措置は合理的だった」とし、規制権限不行使の違法を認めた高裁判決の破棄を求めた。

 最高裁は4件の訴訟とも東電の上告は退けたため、同社の賠償責任と原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)が賠償基準として示した「中間指針」を上回る賠償額は確定している。