海側作業区域に「浮き」設置 東京電力、処理水設備の準備着手

 
福島第1原発の沖合で行われた浮標の設置作業(東京電力提供)

 東京電力は25日、福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、放出設備の設置に向けた海側の準備作業に着手したと発表した。処理水の「放水口」を整備するため、海上の作業区域を示す浮き(浮標)を設置した。29日にも工事を始める。東電は海側での工事について、8月上旬ごろの完了を目指している。

 東電は、新設する海底トンネルを通じて処理水を第1原発の沖合約1キロの地点で放出する計画を示しており、「放水口」はトンネルの出口部分に当たる。

 25日の作業では、放水口予定地の800メートル四方に、作業用の浮きを取り付けたほか、海底に穴を掘る作業船を係留するための重りの設置も進めた。今後は放出口のコンクリート製構造物を設置するため、海底の掘削などに取り組む。

 一方、陸側では既に5、6号機取水口付近の陸上で海底トンネルの入り口部分に当たる立て坑を掘削しており、25日にはトンネルを掘るための機材「シールドマシン」を、立て坑の底部に運び入れた。トンネル工事に着手できるまでは動かさず保管する。

 処理水を巡っては、放出計画に関する原子力規制委員会の審査がほぼ終了。東電は、規制委による計画の認可や、地元自治体の同意を得た上で、設備の本格的な工事に取りかかり、来年春ごろに放出を開始したい考えだ。立て坑や放出口の準備工事は、認可や同意が必要ないとしている。