国際研究拠点、新たに浪江候補地提案へ 田村、大熊も前向き検討

 

 政府が浜通りに整備する福島国際研究教育機構の立地選定を巡り、対象となる東京電力福島第1原発事故で避難指示が出るなどした12市町村のうち、新たに浪江町が候補地を提案する方針を固めたことが分かった。28日にも発表する見通し。南相馬、楢葉、富岡の各市町は既に誘致する意向を表明。田村市と大熊町も前向きに検討しており、候補地の選定を急いでいる。

 浪江町は部署横断による職員7人のプロジェクトチームを置き、候補地選定の最終調整に入っている。

 南相馬市は避難指示区域に設定された小高区への誘致を検討。小高区は、同市原町区の福島ロボットテストフィールドや浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドといった福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想関連拠点の中間地点にあり、市は「既存施設との連携も図れる」としている。

 楢葉町は「イノベ構想の中核を担う施設。立地に伴う産業発展につながる」、富岡町は「人の流れが増え、飲食店など新たな需要が見込まれる」とし、いずれも候補地選定を進めている。

 政府が想定する機構の本施設の敷地面積は10万平方メートル(10ヘクタール)程度で、東京ドーム約2個分、サッカーコート約12面分に当たる土地を確保できるかも焦点になる。前向きに検討を進める大熊町は「まとまった土地の確保、生活利便性やインフラ整備などに課題がある」、田村市も「平地の多い市町村と比べ、少し難しい面もある」として、課題解消を急いでいる。

 川俣、広野、川内、双葉の各町村は、候補地を提案するかどうかを検討中。一方、葛尾、飯舘の両村は提案の意向を示していない。飯舘村は「相馬地方市町村会として南相馬市への誘致を要望してきたため」と説明した。葛尾村は「残念ながら適地がない」とし、波及効果を見据えた施策を検討する。

 機構の本施設と仮事務所の立地選定を巡っては、市町村の提案を踏まえて県が検討し、その意見を尊重して国が9月までの決定を目指す。県は第1弾として12市町村に対し、5月10日までに候補地を提案するかどうかの意向を表明するよう照会している。県は、現地調査や聞き取りも行った上で8月に候補地を選定し、国に提案する方針。