東電、双葉郡に廃炉2会社10月設立へ IHI、日立造船と

 

 東京電力は27日、IHI(東京都)、日立造船(大阪府)とそれぞれ、廃炉関連産業の浜通りへの集積に向けた新会社を10月に設立することで基本合意したと発表した。新会社の所在地はいずれも双葉郡内で、長期にわたり廃炉の中核を担うシステムや製品の開発・製造を被災地で担う。

 東電が2020年に示した地元経済の基盤創造などを掲げる廃炉方針に基づく取り組みの一環。新会社の概要は【表】の通り。従業員数など詳細は今後詰めるが、IHIとの共同事業体「燃料デブリ取出しエンジニアリング会社(仮称)」は、福島第1原発の溶融核燃料(デブリ)取り出しの本格化に備えたシステム・設備の基本設計と研究開発を進める。所在地は第1原発近くになる。

 日立造船とは、燃料保管容器(キャスク)やデブリの保管容器の製造、販売を担う「浜通り廃炉関連製品工場(仮称)」を楢葉町に整備する。当面、第2原発向けのキャスクを製造する。

 IHIは原子炉メーカーで、高線量下の遠隔操作や高線量廃棄物の処理・保管に高い技術力を持つ。日立造船は使用済み燃料の輸送用キャスクを国内メーカーとして初めて製造するなど、輸送・貯蔵用キャスク納入に豊富な実績がある。

 中長期的には地元企業の参画や地元雇用を想定しており、浜通りでの新規産業の発展を通して経済振興や人材育成を進め、廃炉と復興の両立を目指す。

 また東電は、廃炉産業全体でのマネジメント力を強化するため、コンサルティングなど幅広い専門サービスを提供する米国のジェイコブズと協業契約を結んだ。ジェイコブズは英国原発の廃止措置の実績を持っており、東電は「福島への責任」を貫くため、技術や知見の提供を受ける。

 東電は、東京や海外企業への発注が中心だった廃炉の中核技術や製品について、浜通りで開発・製造し、地元経済発展の中長期的な柱とする方針だ。今後も、運用や保管、リサイクルなど廃炉の各工程に関連した施設を順次設置するとしている。小野明福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者は27日の記者会見で「将来的に地元の方々も働けるよう採用や資機材を発注し、働く場として拡大させていく」と述べた。