ホシガレイの稚魚全滅 相馬の研究施設、3月の地震で損壊

 
地震の影響で破損した取水施設の配管設備。施設が被害を受けたことで、研究所に海水を供給できなくなった (県水産資源研究所提供)

 本県沖を震源とする3月の地震の影響で、相馬市の県水産資源研究所の一部施設が損壊し、研究所内で育てていたホシガレイの稚魚がほぼ全滅したことが28日、同研究所への取材で分かった。安定的な漁獲につなげるため、10万匹を目標に育成して海に放流する予定だった。今年の放流量は大幅に減少する見通しとなった。

 県水産資源研究所によると、地震の影響で相馬港から海水を取り入れる取水施設が破損。近くの火力発電所が運転を停止したため、研究所に供給される温海水もほぼ停止した。稚魚を育てていた水槽も、3基のうち一つで排水栓が抜けるなどの被害を受けた。

 残る2基で稚魚は生き残ったが、海水の供給不足や水道の断水で、稚魚が食べるプランクトンを育てることができず、十分な量の餌を稚魚に与えることができなかった。さまざまな要因が重なった結果、生存している稚魚は数百匹となった。生存している稚魚は、採卵のための親魚などに活用し、放流しないという。

 ホシガレイは、ヒラメの2倍以上の単価で取引される高級魚。安定的な漁獲につなげようと、県は東日本大震災で一時中断していた稚魚の放流を2014(平成26)年に再開した。19年からは相馬市の研究所施設の稚魚を使用、1~2月に採卵した卵をふ化させて6センチ程度に育て、6月ごろに同市などで海に放す。20年は8万匹を放流した。4年前からは国立研究開発法人水産研究・教育機構が育てた稚魚も本県沖に放されている。そのため今年も本県沖で放流は行われるが、量は減少する。

 研究所は昨年2月の本県沖地震でも被害を受け、昨年放流した研究所の稚魚は3万匹にとどまっていた。研究所によると、取水施設の復旧工事は終わり、親魚も確保できていることから、来年の稚魚の育成に大きな影響はないという。

 佐久間徹副所長は「少しでも多くの稚魚を放流したかったが、2年連続で地震の影響を受けてしまった。非常に残念だ」と話している。