3年ぶり制限なし、大型連休スタート 移動ためらわず、対策も徹底

 
東京方面から到着した新幹線の利用客=29日午前10時25分ごろ、JR福島駅

 新型コロナウイルス感染が続く中、大型連休が29日、始まった。今年は3年ぶりに緊急事態宣言などの行動制限がない中で迎えた大型連休。帰省や観光などで人が大きく動き、県内の観光地はにぎわいを見せる一方、感染対策を徹底する様子も見られた。

 JR福島駅の新幹線ホームではスーツケースやお土産の紙袋を持った乗客が目立った。家族3人で帰省した東京都の会社員森大日さん(44)は「これまで帰省をためらってきた。2、3年ぶりに母やきょうだいに会える」と笑顔で話した。家族4人で墓参りのため帰省した東京都の会社員長沢雄介さん(38)は、緊急事態宣言などで移動の自粛が求められなかったことで「心置きなく移動できた」という。「子どもたちを遊ばせたり、せっかく来たので円盤餃子(ギョーザ)を食べたい」と滞在中の楽しみを語った。

 JR東日本によると、東北新幹線の下りの自由席乗車率は100%を超える列車がある一方、指定席には空席もあり、目立った混雑はなかった。

 東日本高速道路(ネクスコ東日本)によると、高速道路の混雑のピークは5月3日となる予想で、東北道上下線福島トンネル付近で最大約20キロの渋滞発生が見込まれている。

 道の駅に長い車列

 「朝からすごい人だかりが続いている」。27日に正式オープンした福島市大笹生の「道の駅ふくしま」の吉田賢司支配人(53)は、店内の様子に驚く。駐車場に通じる道路には長い車列ができ、「山形」や「宇都宮」などの県外ナンバーも多く見られた。

 市内の義父母宅への帰省途中に家族4人で立ち寄った宮城県白石市の会社員斎藤文彰さん(41)は「東北道に近くて便利。福島の中でも知らない土地の品物も購入できて良かった」と笑顔を見せた。

 いわき市のスパリゾートハワイアンズは、プールや温泉、ステージショーを楽しむ大勢の家族連れらでにぎわった。施設の担当者は「新型コロナ禍1、2年目と比べて、(来場者は)体感として多い」と話す。大型連休期間限定で設置している子ども向けのスライダーには午前10時のオープンから列ができていたという。

 施設内に四つある宿泊施設は29日時点で、5月3、4の両日が満室状態。昨年と今年では施設の開設状況が異なるが「昨年の大型連休期間は満室状態になることはなかった」という。

 郡山市の磐梯熱海温泉「ホテル華の湯」では、宿泊客に「安心・安全のおもてなし」を提供するため、感染対策を徹底しながら宿泊客を出迎えている。

 同ホテルによると、大型連休中の予約数はコロナ禍前よりは半減しているが、昨年同時期からはわずかに増えているという。コロナ禍前は隣県や首都圏からの団体客が大半を占めていたが、現在は県内を中心に夫婦や家族など少人数の宿泊客が多いといい、客層にも変化が見られる。

 接触防ぐプラン

 検温やアルコール消毒などをはじめ、大浴場の脱衣かごの間引き、食事会場についたてを設置するなど、感染対策も徹底する。宿泊客の意識も高く、ほかの客との接触を防ぐため、風呂付きの部屋や部屋食付きのプランを選ぶ宿泊客も多いという。

 増子浩之営業部長(61)は「感染拡大が始まり3年。お客さまには少しでもリフレッシュしてもらいたい」と話した。