県外校バス助成最多、「教育旅行」福島県回帰 関東579校で大幅増

 

 教育旅行で本県を訪れる県外の学校を対象に県が行っているバス代の助成事業について、昨年度の助成校数が1000校となり、過去最多となった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い、訪問先を本県から他県に変更する「福島離れ」が進んだが、歴史や文化、自然など教育旅行に適した本県の魅力が再び注目されたとみて、県は定着と誘致の2本柱で進める考えだ。

 本県の教育旅行を巡っては、2009年度の約71万人をピークに12年度は約13万人に減少した。県外校へのバス代の助成事業は、震災と原発事故後に減少した本県への教育旅行の回復などを目的に15年度から実施。東北、関東・中部、北海道・関西、九州と四つのエリアごとに3~15万円を補助している。15年度からの実績は【グラフ】の通り。

 事業を開始した15年度の教育旅行者数は38万1000人となり、19年度に51万人台に回復。しかし、新型コロナウイルスが拡大した20年度は約9万9000人と再び低迷、バス代の助成校数も初めて前年度を下回った。

 このため県は昨年度、会津若松市の鶴ケ城や三春町の県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」、県内初の震災遺構「請戸小」などをコースにしたオンラインによるモニターツアーを3回開催。旅行会社などを対象にメールマガジンを送付し、教育旅行先としての魅力を発信してきた。

 その結果、昨年度の1000校のうち、関東の実績が前年度の221校から579校に増加、全体の6割弱を占めた。県はこれまで訪問先が他県に変更された場合、再び本県が選ばれる傾向は薄いと分析していた。しかし、新型コロナ禍で首都圏からの近さや、会津地方の歴史と文化、浜通りでの「ホープツーリズム」など本県特有の観光資源が再び注目され、関東からの来県につながったとみている。

 県は本年度もメールマガジンの配布など取り組みを継続する考えで、「教育旅行先として本県を定着させながら、新たな学校の誘客も目指していきたい」(観光交流課)としている。